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マイクロンが台湾投資拡大、最重要DRAM拠点の位置付け高まる


ニュース 電子 作成日:2017年9月7日_記事番号:T00072735

マイクロンが台湾投資拡大、最重要DRAM拠点の位置付け高まる

 米半導体メモリー大手、マイクロン・テクノロジーは6日、台湾に今後3~5年、毎年20億米ドルの大型投資を行い、DRAM製造プロセスの微細化に取り組むほか、パッケージング・テスティング(封止・検査)の世界初の自動化工場を設置すると表明した。大規模な投資拡大により、台湾のDRAM生産の最重要拠点としての位置付けがさらに高まる。7日付経済日報などが報じた。

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 マイクロン世界生産部門のウェイン・アラン副社長は、既存の桃園、台中工場で行っていたDRAMの封止・検査業務を中部科学工業園区(中科)后里園区に移転し、桃園・台中の空いたスペースで製造プロセスの微細化を進める考えを示した。桃園工場では現在の20ナノメートル製造プロセスから14~16ナノへ、台中工場では16~19ナノから12~14ナノまで実現させ、さらに3D(3次元)シリコン貫通電極(TSV)技術や3Dパッケージングを導入する。

 アラン副社長はさらに、達鴻先進科技(CANDO)と宸鴻集団(TPKホールディング)から買収した工場2カ所で、改装や生産設備の設置、クリーンルーム導入を進めて、テスティング工場および世界初の3Dパッケージング工場とし、来年下半期には量産に入れるとの見通しを示した。両工場ともビッグデータで集中管理し、全面的に自動化する。同社はビッグデータによる工場スマート化に注力しており、ウエハー処理工程にかかる時間が25%短縮、過去18カ月で生産効率が20%向上したという。

 投資拡大に伴い今年は500人の人材を採用しており、今後も6カ月以内にさらに500人、来年も1,000人を募集する計画だ。

「今後半年は需給逼迫」

 アラン副社長はDRAM市場の展望について、今後半年は需給逼迫(ひっぱく)が続くとの見方を示した。DRAM、NAND型フラッシュメモリーは増産が進められているが、需要拡大に追い付いていないと指摘。ただ、同社は当面DRAM工場を新設せず、製造プロセスの微細化推進を優先する方針で、大手のサムスン電子、SKハイニックスも同じ考えだと説明した。

 また、NAND型フラッシュメモリーは毎年45%の市場拡大が見込めるとの見通しを示した。サムスン、SKハイニックスなどが製造プロセスの微細化と増産を並行して進めている。

【表】