ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

老街はどこに行っても同じ、没個性化に不満の声


ニュース 社会 作成日:2017年9月7日_記事番号:T00072744

老街はどこに行っても同じ、没個性化に不満の声

 台湾には清朝や日本統治時代の町並みが残る商店街エリア「老街」が数多く存在し、昔懐かしい建物や名産品を目当てに多くの観光客を集めている。しかし、最近は観光客から「どの老街も同じようなものを売っている」など個性がなくなっていることへの不満の声も多く聞かれる。

/date/2017/09/07/laojie_2.jpg深坑老街の多福宴では、各豆腐店自慢の一品を食べることができ、観光客に人気だという(中央社)

 新北市には29区のほぼ全てに老街があり、海外からの観光客も数多く訪れる淡水老街(淡水区)や九份老街(瑞芳区)、豆腐料理で知られる深坑老街(深坑区)、赤レンガの建物や金牛角(台湾風クロワッサン)で有名な三峡老街(三峽区)、陶器の名産地の鶯歌老街(鶯歌区)などは、休日はもちろん平日も大勢の人出でにぎわいを見せている。

 しかし、複数の老街を訪れた観光客からは「九份名物の芋円(イモ団子のデザート)は深坑でも食べられる」、「深坑の臭豆腐が淡水で売られていた」といった声が聞かれるようになっている。

 ある観光客は、淡水老街へ行くのは阿給(油揚げに春雨を詰めた料理)や魚丸湯(魚のすり身団子スープ)といった名物を食べ、海からの風を感じながら散策し、美しい夕日を鑑賞することが目的だが、名物料理が他の老街でも食べられるとなれば「特別感」は薄れると指摘する。

 こうした声は老街の商店経営者の耳にも届いており、各老街で独自性を打ち出した新たな運営の在り方の模索が始まっている。深坑老街では4年前より、30~40軒の豆腐料理店が自分の店のメニューを持ち寄る合同の宴会イベント「多福宴」を9月に開催して人気を博しており、今年(9月22日開催)も予約受け付けの開始後わずか7分で限定50テーブル分が売り切れたという。

 一方、新北市政府は、これまで知名度が高くなかった老街にも観光客を呼び込もうと広報活動を強化している。中でも石碇老街(石碇区)は台北市信義区から車でわずか15分程度の距離であるにもかかわらず、自然が豊かな上、川べりにコンクリートの支柱を設置し、その上に建物を立てる独特な建築物「吊脚楼」やトンネル状になった商店街、多くの老舗商店がそろうことで知られ、徐々に訪問者が増えているという。

 台湾各地に無数にある老街。一般には知られていない自分だけの面白い老街を見つけ出してみてはいかがだろう。