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高速道路の死亡事故、工事関連が10年で38件も


ニュース 社会 作成日:2017年9月8日_記事番号:T00072773

高速道路の死亡事故、工事関連が10年で38件も

 台湾区国道高速公路局(高公局)の統計によると、過去10年間に高速道路上で発生した死亡事故のうち、道路工事現場にトラックが突っ込んで作業員が死亡するといった工事関連の事故が38件に上ることが明らかとなり、政府に対策強化を求める声が上がっている。

 同統計によると、過去10年に高速道路で発生した工事関連の事故で死亡した人数は43人で、飲酒運転を原因とする事故の85人は下回ったものの、スピードの出し過ぎによる30人を上回った。

 高公局では16人の死者が出た2007年以降、工事現場の後方、左右に周辺を走行する車両に注意を促す掲示を設置した車両を2台以上の配置するよう規定した。しかし今年も5月に中山高速公路(国道1号)の林口区間(新北市)で工事作業員がトラックに追突されて死亡するという事故が発生した。

 なお高速道路で工事を行う場合、従来は車両通行への影響や渋滞の発生を考慮して、作業を行う車線のみを封鎖していたが、5月の事故を受けて交通部は、区画線や道路標示を描く際は、従来よりも1車線多く封鎖し、誘導員を追加配置するよう指示した。

 しかし、こうした対策も効果は薄いようで、8月にも同様の事故が3件相次いで発生し、3人が死亡。今年1~8月の事故件数は9件を超えた。

 工事関係者は、路上ごみの除去や路面に開いた穴の補修といった作業には全工程で防護壁の役割を果たす車両が配置されるが、5日以上の中長期にわたる工事の場合は、一時期しか設置されていないと指摘する。

 これに対し高公局は、防護用の車両は数に限りがあるほか、リース料も高く、コストがかかり過ぎると説明。またさらに多くの車線を通行止めにすれば渋滞が起きやすくなるため、ドライバーに対する飲酒運転や注意力散漫、疲労した状態での運転に関する教育と罰則強化で対応せざるを得ないとコメントしてている。