ニュース 電子 作成日:2008年5月7日_記事番号:T00007280
台湾積体電路製造(TSMC)、インテル、サムスン電子の3社は米東部時間の5日、半導体産業の持続的な成長を促す認識の下、2012年に18インチウエハーを導入する目標に向けて幅広く協力していくとした共同宣言を発表した。7日付経済日報によると、TSMCは台湾初の18インチウエハー工場を、10年に新竹科学工業園区(竹科)で着工する計画だ。
TSMC、インテル、サムスンの3社は、世界の半導体業界でも数少ない18インチウエハー工場を自力で建設する資金力と技術を持った企業で、今回の共同宣言は、3社が重要な先端技術の開発目標について業界に指標を示すことを意図したものだ。一部のメディアは「3社が18インチウエハーを共同開発」と報じたが、先端技術で具体的な協力が行われることは考えにくい。
18インチウエハーは直径450ミリで、1枚のウエハーから取れるダイの数が12インチの2倍以上となり、生産コストの低減が進む。また、量産の効率化により生産工程で使う水資源の低減、温室効果ガスの排出削減なども期待できる。
半導体業界では91年に8インチウエハーの量産が行われ、01年に12インチ導入と、10年単位でウエハーの大型化が進んでいる。
膨大な建設資金
IT(情報技術)業界の調査・コンサルティングを手掛ける米ガートナーによると、18インチ工場1基の建設費は12インチの3倍以上の160億米ドルが見込まれる。同社は18インチ工場が建設されるのは12年ごろ、また、14~16年に量産に入る可能性が最も高いとみている。 ガートナーは、18インチ工場を建設できるメーカーとして、インテル、東芝、TSMC、IBM連盟(IBM、チャータード・セミコンダクター、サムスン)、STマイクロエレクトロニクスを挙げており、18インチ工場は世界全体で多くても11基程度になるという予測も示している。
経済日報も、18インチ工場を建設できる資金力を持つ台湾半導体メーカーはTSMC1社のみで、聯華電子(UMC)やチャータード、中芯国際集成電路製造(SMIC)などが追随する場合は提携以外にないと指摘している。今後、中堅ファウンドリーは、ハイエンド製造プロセスを実現できなければ、業態転換を迫られたり合併される可能性が高くなり、半導体業界の勢力図書き換えが進むことも予想される。
22ナノ世代へ
TSMCは既に18インチウエハーの研究開発(R&D)グループを立ち上げており、18インチ工場は竹科の園区三路、五路の用地での建設が見込まれる。張忠謀同社董事長は、今後6年で32ナノメートル、22ナノ、15ナノの各製造プロセスのR&D行うことを視野に、同地でのウエハー工場の投資額は50億米ドルに上ると見込んでいるという。
同社の12インチウエハーによるファウンドリー業務の市場シェアは現在65%以上で、65ナノプロセスでは8割以上に上る。22ナノプロセスとなる18インチウエハーでは、さらなるシェア向上も見込まれる。
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