ニュース 電子 作成日:2017年9月13日_記事番号:T00072826
アップルは台湾時間の13日未明、スマートフォン10周年モデルとなる「iPhoneX(テン)」など新製品を発表した。iPhone8、iPhone8プラスは台湾などで22日発売、iPhoneXは11月3日発売で3万5,900台湾元(約13万円)から。過去最高価格ながら、アップル初の有機EL(OLED)パネルによるオールスクリーン仕様、3次元(3D)顔認証システム、ワイヤレス充電など新スペックが満載で、スマホ買い替えを大幅に促進し、台湾サプライチェーンの業績を押し上げると期待される。一方、アップル製品の動向把握で定評のある凱基証券(KGI)の郭明錤アナリストは、iPhoneXは部品の供給不足で日産台数が当面1万台にも届かず、深刻な供給不足が起こると予想した。13日付自由時報などが報じた。
iPhoneXとアップルウオッチなどを同時に充電できる「エアパワーマット」も来年発売する予定だ(アップルリリースより)
アップル公式サイトによると、iPhoneXの5.8インチスーパーRetinaディスプレイは、美しい曲線を描くように四隅に丸みを持たせたデザイン。従来の「ホームボタン」の代わりに顔認証機能「Face ID」を採用することで、オールスクリーン(狭額縁設計のインフィニティディスプレイ)を実現した。「Face ID」を使ったモバイル決済「アップルペイ」も可能だ。スペースグレイとシルバーの2色展開で、容量64GB(ギガバイト)が3万5,900元、256GBが4万1,500元。台湾では10月27日午後3時1分から予約受付を開始する。
一方、iPhone8シリーズの予約注文は9月15日からで、9月22日に発売する。iPhone8は4.7インチ、iPhone8プラスは5.5インチで、いずれもIPSパネル搭載のRetina HDディスプレイ。ホームボタンに第2世代の指紋認証センサーが内蔵されている。ゴールド、シルバー、スペースグレイの3色で、価格はiPhone8の64GBが2万5,500元、256GBが3万900元、iPhone8プラスは64GBが2万8,900元、256GBが3万4,500元。
iPhone8シリーズは、航空宇宙産業で使われているものと同じグレードのアルミニウム製のフレームだ(アップルリリースより)
iPhoneX、iPhone8、iPhone8プラスのいずれも耐久性のあるガラス仕上げで、ワイヤレス充電(Qi充電器対応)が可能となった。新型プロセッサー「A11 Bionicチップ」を搭載し、AR(拡張現実)アプリケーションにも対応した。
証券会社は、iPhoneXは他社ブランドにはない新スペック満載で、人気が出ると予想した。
TSMC・ラーガン・鴻海に恩恵
財信伝媒の謝金河董事長は13日、フェイスブック(FB)で、台湾のアップル向けサプライヤーのうち、▽ファウンドリーの台湾積体電路製造(TSMC)▽カメラレンズの大立光電(ラーガン・プレシジョン)▽組み立ての鴻海精密工業──が最も恩恵を受けると指摘した。
顔認証機能に使われる3Dセンサー関連サプライヤーとして、TSMC、ラーガンのほか▽奇景光電(ハイマックス・テクノロジーズ)▽同欣電子工業▽穏懋半導体(ウィン・セミコンダクターズ)──などの名前が上がっている。
一方、アップルがiPhoneシリーズで初めて採用した有機ELパネルは、サムスン電子が独占的に供給しているため、台湾サプライヤーは恩恵に預かれていない。
凱基証券の郭アナリストは、iPhoneXは予想通りよく売れ、出荷台数は第4四半期から急増すると予測した。
アップルウオッチ3も
アップルは同日、腕時計型ウエアラブル(装着型)端末「アップルウオッチシリーズ3」も発表した。台湾ではGPSモデルを9月15日に注文開始、22日から販売する。販売価格は1万900元から。セルラーモデルでは携帯電話通信機能を内蔵し、iPhoneがそばになくても、電話をかけたり、メッセージを受け取ったりできるが、台湾は第1弾発売エリアに含まれなかった。
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