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作成日:2008年5月8日_記事番号:T00007291
遠東航空董事長、遠東集団に経営権委譲の意向
遠東航空(ファーイースタン・エア・トランスポート)の白旭屏董事長は、同社の増資引き受けに難色を示している大株主の遠東集団に対し、株主割当増資に参加すれば、無条件で経営権を委譲する考えを伝えたもようだ。8日付工商時報が遠東航空幹部の話として伝えた。
白董事長は遠東集団傘下の遠東国際商業銀行に対し、8億台湾元(約27億2,000万円)程度の資金が確保できれば、経営の存続は可能との認識を示した上で、遠東集団が31億元の株主割当増資に応じれば、無条件で経営権を委譲すると打診しているという。
遠東航空はまた、遠東集団が遠東航空の会社更生手続き後に債権者として経営権を取得した場合、多くの航空路線が運航中止となり、失った運航権を取り戻すことができなくなるとして、資産価値を維持する上でも早期の増資参加が望ましいと呼び掛けている。
遠東航空幹部は、「内外の戦略的投資家との交渉が進んでいるが、評価作業には時間がかかる。遠東航空は一刻を争う状況に置かれており、従業員の忍耐も限界に来ている。仮に運航中止で運航権を民用航空局に返還し、他の航空会社に割り当てられてしまえば、運航権を取り戻すことは困難になる」と危機感を表明した。