ニュース 社会 作成日:2017年9月18日_記事番号:T00072932
花蓮県の太魯閣国家公園でサイクリング中に落石に遭い、収容先の花蓮市内の病院で亡くなった浜松市の会社員、白井寛之さん(35)は火葬に付され、事故の知らせを受けて訪台した彼の父親とともに16日、帰国の途についた。病院から台湾鉄路(台鉄)花蓮駅までの移動中、台湾の約100人のサイクリング愛好家が駆け付けて車と併走。台湾を愛した日本人サイクリストに哀悼の意を示した。
父親の良一さん(前左)は集まった台湾のサイクリング愛好家らに頭を下げて感謝の気持ちを伝えた(16日=中央社)
アマチュアの自転車選手だった白井さんは9月10日に花蓮県で開催される予定だった自転車ロードレース「マキシス太魯閣国際ヒルクライム」(落石のリスクが高いとして中止)に出場するために来台。9日に下見のため太魯閣国家公園の中部横貫公路(省道8号線)を単独で走行していたところ、九曲洞トンネルの入り口付近で山肌から落ちてきた岩に頭部を直撃された。
花蓮の海抜0メートルの中部横貫公路入り口から、台湾の道路網における最高地点である武嶺(南投県仁愛郷、海抜3,275メートル)までの全長約72キロメートルまでを一気に駆け上がるルートは、自転車愛好家の間で「天国への道」と呼ばれ、一度はチャレンジしてみたい区間として知られる。
しかし同区間の山肌はもろく、落石事故が頻発することで有名で、花蓮県消防局の統計によると、2015年から今年9月の間に5件の事故が発生し、5人が死亡、2人が負傷している。
意識不明の重体となった白井さんは、花蓮慈済医院に運ばれて治療を受けたものの、良一さんらにみとられて12日夜に亡くなった。
白井さんの死を受けて、地元のサイクリングサークルが、自転車に乗って見送ることで哀悼の意を示そうと呼び掛けたところ、愛好家が続々と賛同し、良一さん(67)が息子の遺骨とともに出発する16日午前、病院の前には100人近くが愛車とともに集結した。
集まった大勢のサイクリストを前に、良一さんは悲しみをにじませつつも「大好きな自転車に乗り、美しい、そして愛がいっぱいの台湾で命を落としたことは寛之にとって最大の幸せ」などと語り、感謝を示した。
その後、白井さんの遺骨を乗せた車は100台の自転車による「追悼ラン」に付き添われて花蓮駅へ向かった。
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