ニュース 社会 作成日:2017年9月21日_記事番号:T00073009
21日に入学式を挙行した花蓮県寿豊郷の大学、台湾観光学院は、今年度の学生募集が思うように進まなかったことから料理学部以外の学部は開講しないことを決定。入学直前の先週になって突然、他校への転籍を求める通知を受けた新入生たちから「無責任過ぎる」と憤慨する声が上がっている。
創設28年の台湾観光学院は従来、5つの学部を開設しており、昼間部、夜間部合わせて784人の学生が在籍している。少子化が進む中、ここ数年は入学希望者が減少の一途をたどっており、2013年には教育部の指導対象大学リストに入った。
今年度も入学希望者が200人余りと学校運営に必要な規模に達しなかったことから、学校側は4学部の閉講を決め、料理学部以外の新入生168人は入学を目前にして転籍を迫られることとなった。
同校と教育部は20日、他県市の大学を含む14校を招いて説明会を開催。同じく学生数の減少に直面する他大学からは転籍する学生に対し、住居費免除や交通費補助などの好条件を提示したものの、転籍を希望する学生は新入生22人、在校生28人にとどまり、大部分は同校に残りたいとの意向を示した。
閉講を突然知らされた学生からは、「この大学を選んだのは家から近いからで、遠くの大学に移れば住む場所や交通費の問題が生じる」、「スポーツ・レジャー関連の勉強をしたかったのに学校に残れば料理を学ばなければならないのか」といった憤懣(ふんまん)の声が上がっている。また昼間に働いて家計を支えている夜間部の学生は、「家族も一緒に引っ越せというのか」と憤った。
この問題で教育部技術・職業教育司の楊玉恵司長は、引き続き在籍を希望する学生が受講すべき講義の数が不足する場合は、近隣大学の協力を得て開講するなど対策を取り、卒業を保証するよう要求。学校側も学校に留まる学生のために従来通りの講義を継続すると表明した。
なお、入学式のあいさつで劉家榛代理学長は「当校に残りたいという学生がこれほど多いことに感動した。学生たちの支持に感謝する」と涙ながらに語ったそうだが、学生たちはその言葉をどんな思いで聞いたのだろうか。
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722