ニュース 電子 作成日:2017年9月26日_記事番号:T00073074
アップルの新型スマートフォンiPhoneXは、量産開始時期が10月中旬にずれ込むとの観測が25日浮上した。台湾の部品メーカーの出荷に問題はないが、サムスン電子など韓国メーカーの有機EL(OLED)パネル、および日本メーカーの材料が原因といわれている。通信キャリア大手、遠伝電信(ファーイーストーン・テレコミュニケーションズ)の李彬総経理は、台湾のiPhoneX初回入荷台数は発注全体の1~2割にとどまり、ユーザーが受け取るまでの日数は過去最長となるとの予想を示した。26日付経済日報などが報じた。
iPhoneXは10月27日から予約注文を受け付け、11月3日に発売する。
業界関係者によると、アップルはiPhoneXに一般とは異なる有機ELパネルを搭載するため、主にサムスンから供給を受けているが、サムスンの出荷が滞っているため、LGディスプレイ(LGD)からも調達しているものの、まだ供給不足だという。また、有機ELパネル材料が、新日鉄住金化学とJX金属で相違があることも、出荷が滞る一因とみられている。
一方、iPhoneXの顔認証機能「Face ID」に使われる3次元(3D)センサーの歩留まり率が問題との見方もある。3Dセンサー関連サプライヤーは、▽台湾積体電路製造(TSMC)▽大立光電(ラーガン・プレシジョン)▽玉晶光電(ジニアス・エレクトロニック・オプティカル、GSEO)▽同欣電子工業▽精材科技(シンテック)▽采鈺科技(ビスエラ・テクノロジーズ)──など。
鴻海、10月連休の返上不要か
iPhoneX新機能に関する重要部品の歩留まり率が向上しないままだと、組み立てを担当する鴻海精密工業の中国工場は例年、国慶節(建国記念日、10月1日)連休返上で生産に当たってきたが、今年は長い休みを取れそうだ。ただ、採用活動は引き続き行っている。
筐体大手の可成科技(キャッチャー・テクノロジー)は25日、需要は正常で下方修正もしておらず、出荷見通しに変更はないとコメントした。
8の販売、まずまず=通信5社
遠伝の李総経理は、iPhoneXは歩留まり率によっては来年の春節(旧正月、2018年は2月16日)まで供給不足が続くと予測した。アップルファンがiPhoneX発売を待ち望んでいるため、iPhone8とiPhone8プラスの販売台数は昨年発売の前モデルiPhone7の6~7割だが、それほど悪いわけではないと説明した。
遠伝でiPhone8の行列の最前列だった男性は、容量256GB(ギガバイト)のゴールドモデルに買い替えた(22日=中央社)
中華電信も、iPhone8とiPhone8プラスの販売台数はiPhone7の6~7割で、かなり良いとコメントした。台湾大哥大(台湾モバイル)は発売後3日間で約2万台売れており、予想通りだとしている。
また遠伝の李総経理は、iPhone8とiPhone8プラス、iPhoneXだけでなく、現在iPhone7、iPhone6s、iPhone6、iPhone5sまで市場に出回っており、消費者の選択肢を増やすアップルの戦略の下、今年のiPhone全体の販売台数は例年を上回ると予想した。
【表】【図】
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722