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外来トカゲ捕獲に報奨金、2時間で予算オーバー


ニュース 社会 作成日:2017年9月26日_記事番号:T00073084

外来トカゲ捕獲に報奨金、2時間で予算オーバー

 嘉義県では外来種のトカゲ、ブラウンアノールとグリーンイグアナが増え過ぎ、生態系を破壊するとの懸念が高まっていることから、7年前より同2種の捕獲に対する報奨金支給制度を導入している。しかしこのほど、駆除を加速させるため1匹当たりの報奨金を引き上げたところ、市民の間で捕獲熱が一気に高まり、今年計上した予算約97万台湾元をわずか2時間で使い切ってしまう事態となった。

 ある市民によると、外来トカゲの捕獲に対する報奨金制度が導入された当初、ブラウンアノールが1匹当たり20元という高いレートで買い取りされたため、地元住民が総出で「トカゲ狩り」に乗り出したほか、学生にとっては夏休みの良いアルバイトとなっていたという。

 その後、買取額が3元に引き下げられると「トカゲ熱」は低下し、捕獲を行う住民は減っていった。嘉義県では昨年、中央から支給された報奨金用の予算90万元のうち、60万元余りしか使われなかった。

 こうした中、嘉義県政府は再び捕獲熱を高めようと、報奨金額をブラウンアノール1匹当たり5元に引き上げたところ、工場にパートに出るよりも割が良いなどといった理由で捕獲に精を出す者が相次いだ。

 ある市民は毎晩、ヘッドランプと長靴を身にまとって狩りに出かけ、多い時で一晩に600匹、平均でも約300匹の成果を挙げた。こうして捕獲したトカゲはアルコールに漬けて保存し、買い取りが始まる3日前に日干しして数を数えるのだそうだ。

 そしていよいよ今月22日、嘉義県政府は新レートで買い取りを開始した。すると、予想をはるかに上回る数の外来トカゲが持ち込まれ、最初の6人からブラウンアノール16万7,000匹余り、グリーンイグアナ800匹余りを買い取ったところで、今年用意した予算97万1,000元が底を突いてしまい、買い取りを停止せざるを得なくなった。

 このため10人以上の市民が、捕獲した20万匹以上のトカゲを引き取ってもらえず、「早い者勝ちとは聞いてなかった」などと県職員と口論する姿も見られた。

 こうした事態を受けて県政府は、「中央に予算の増額を申請し、認められれば買い取りを再開する」と表明したが、市民からは、トカゲ狩り大会を実施して捕獲した数の多い者に奨金を与える手法に変更した方がよいといった声も上がっている。