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日本産牛肉、いよいよ台湾消費者の元へ


ニュース 商業・サービス 作成日:2017年9月28日_記事番号:T00073115

日本産牛肉、いよいよ台湾消費者の元へ

 14年ぶりに輸入が解禁された日本産牛肉がきょう28日にも台湾に到着し、早ければ1週間以内にレストランで提供される見通しだ。乾杯集団、台北晶華酒店(リージェント台北)、台北喜来登大飯店(シェラトングランド台北ホテル)が27日、宮崎牛の輸入を発表し、年間36トンの輸入が見込まれている。高級ショッピングモール、微風広場(ブリーズセンター)のスーパーマーケットでも販売する。焼き肉を食べる習慣のある中秋節(旧暦8月15日、2018年は10月4日)の話題となりそうだ。28日付蘋果日報などが報じた。

/date/2017/09/28/00meat_2.jpgリージェント台北は館内レストランで13種類の日本産牛肉メニューを提供する(リリースより)

 日本では2001年9月に牛海綿状脳症(BSE)が発生、台湾はその後、日本産牛肉の輸入を禁止していた。今回は日本からの輸出再開要請を経て、台湾政府当局が今月22日に日本産牛肉輸出施設(29施設)を承認し、生後30カ月未満、特定危険部位(SRM)を含まないなどの条件付きで輸入を解禁した。

販売価格、日本の4~5倍

 乾杯集団は、輸入する宮崎牛はA4、A5ランクのリブアイで、初回輸入分200キログラムが空輸できょう28日に台湾に到着し、あす29日に乾杯のセントラルキッチン(集中調理施設)に送られ、シェフが目視検査、試作などを行い、約1週間後にも乾杯集団の日本式高級焼き肉店「老乾杯」、鍋料理の「黒毛屋」のメニューに登場すると説明した。

 宮崎牛は、5年に1度開催の和牛の品評会、全国和牛能力共進会で3回連続内閣総理大臣賞を受賞している。乾杯集団は、関税や消費者の受け入れられる範囲を考慮し、販売価格をオーストラリア産和牛よりも3~4割高く設定する。100グラム当たり1,000台湾元(約3,700円)を超え、日本での販売価格の4~5倍となる見込みだ。

 リージェント台北は、館内レストランの▽三燔本家▽ロビンズグリル▽ロビンズ鉄板焼き▽azie▽晶華軒──などで日本産牛肉料理を提供する。azieの日本産牛肉を使った牛肉麺が1,500元(オーストラリア牛の場合480元)、ロビンズのリブアイステーキ6オンスが4,800元など。

 台北美福大飯店(グランド・メイフル・ホテル台北)は日本料理店、フレンチやイタリアンレストランで採用を検討する。維多麗亜酒店(グランド・ビクトリア・ホテル)は、ステーキハウスに合う品種や調理法などを検討中と説明した。高級鉄板焼きと焼き肉レストラン「犇」は、日本産牛肉、米国産和牛、オーストラリア産和牛の各部位を組み合わせた「特七牛」セットや、鉄板焼や鍋料理で日本産牛肉A5ランクの採用を考えている。

量販店は様子見

 ブリーズセンターの微風超市(ブリーズスーパー)が日本産牛肉を取り扱う一方、量販店大手の家楽福(カルフール)は、計画しているものの時期は未定だ。大潤発(RTマート)はオーストラリア産和牛が1パック1,000~3,000元であまり売れていないので、日本産牛肉の取り扱いは要検討と説明した。愛買(aマート)、高級スーパーのシティースーパーは予定していない。

 消費者からは、「ステーキが1,500元以下なら食べてみたい」「日本産牛肉は脂っこくて苦手」などの声が聞かれた。

 農林水産省は、台湾は昨年の訪日旅行者数が400万人を超えており、日本産牛肉の有力な輸出先として期待されていると指摘した。財務省の「貿易統計」によると、1998年の輸出量は21.9トン。香港は98年輸出量が31トンで、16年には659.2トンまで拡大した。