ニュース 政治 作成日:2017年10月11日_記事番号:T00073308
蔡英文総統は10日、台北市の総統府前で行われた国慶節(双十節)の記念式典で演説し、改革推進や民主主義の擁護を訴えたほか、中台関係については「対立に逆戻りはしないが、圧力にも屈しない」と強調した。
蔡総統は中国に対し、新たな交流モデルの構築を呼び掛けた(10日=中央社)
演説は▽改革推進▽台湾の民主主義と自由に基づく価値観、生活方式の防衛▽国際関係――という3つの方面から「よりよい台湾」をいかに目指すかについて表明する内容で、全体的に新味がある内容ではなかった。
改革推進に関しては、産業高度化、社会住宅(賃貸専用の公営住宅)、長期介護、託児保育公共化、年金改革、司法改革、ドラッグ対策などに触れながら、「問題を一つ一つ解決し、改革を一つ一つ実現してこそ、よりよい台湾がある」と指摘した。
民主主義と自由の防衛に向けては、軍事力の強化を課題に掲げた。蔡総統は「三軍の統帥権者として、国防のモデルチェンジは自身が尽くすべき任務だ」とし、軍の部隊能力の向上などに取り組み、国防産業の発展にも努めていくとした。
中台関係については、「我々の善意と約束は変わらず、対立に逆戻りはしない。圧力にも屈しない。それが両岸(中台)関係を処理する上で一貫した原則だ」と強調した。
国際関係では、「台湾は理念が近い国々と密接な協力関係を保つと同時に、(東南アジアなどとの関係強化を目指す)『新南向政策』を積極的に推進していく」とした。
国台弁、「一つの中国」原則を強調
台湾政策を担う中国国務院台湾事務弁公室(国台弁)の馬暁光報道官は10日、「一つの中国の原則」と「台湾独立反対」を堅持する限り、両岸関係は平和的に発展すると述べた。ただ、「92共識(1992年の共通認識)」という単語は発しなかった。
中国廈門(アモイ)大学台湾研究院の劉国深院長は蔡総統の演説内容について、「これまでの発言の繰り返しで、気持ちも善意もこもっていない。北京当局が好感を持つはずはなく、大陸(中国)の民衆にとっては嫌悪感が増すだけだ」と評した上で、蔡総統は「一つの中国」問題をあいまいにしていると批判した。
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