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台湾とインド産業界、電子・スマートカー部品などで提携


ニュース その他分野 作成日:2017年10月13日_記事番号:T00073362

台湾とインド産業界、電子・スマートカー部品などで提携

 台湾とインドの業界団体は12日、▽電子製品製造▽スマートシティー▽グリーンテクノロジー▽スマートカー部品──の4分野で21項目の提携覚書(MOU)を交わした。インドには鴻海精密工業、聯発科技(メディアテック)などが進出しており、今後も7%を超える高い経済成長が見込まれている。中国経済が減速する中、台湾の新たな成長エンジンの一つとして、インド新興産業の商機獲得に攻勢をかける。13日付工商時報などが報じた。

/date/2017/10/13/00india1_2.jpgFICCIのマニッシュ・シャルマ事務局長(中央の右)はインドは巨大な電子製品市場を擁し、今が投資に最適な時期だと述べた(経済部リリースより)

 経済部と中華民国全国工業総会(工総、CNFI)は12日、台湾インド産業鏈結高峰論壇(インダストリアル・コラボレーション・サミット)を開催し、工総とインド商工会議所連合会(FICCI)が率いる9つの業界団体や企業、シンクタンクが21項目の提携MOUを交わした。電子製品製造とグリーンテクノロジーが各6項目で最多だった。

 経済部の龔明鑫政務次長は、インドの過去3年のGDP(国内総生産)成長率は7%を超えており、世界中から企業の投資が相次いでいると指摘。台湾はアジア・シリコンバレー計画など「5プラス2産業創新政策」、東南アジアやインドとの関係強化を目指す「新南向政策」を推進しており、インドとの産業提携では製造や研究開発(R&D)の経験を提供したいと話した。

30年にEV限定へ

 経済部は、インドは「メーク・イン・インディア(インドでモノづくりを)」や「デジタルインド」計画を推進しており、例えばディスプレイ産業では従来海外から輸入していたものを、インド現地での組み立て、生産に切り替えていると指摘した。こうしたインドのモジュール、組み立ての現地化に、世界2位の液晶パネル生産を誇る台湾は協力できると説明した。

 また、インドはスマートシティーを100カ所に構築する構想で、IoT(モノのインターネット)関連の輸出が期待できる。グリーンテクノロジーについては、2014年からインドと協力しており、今後もグリーンエネルギーの応用と汚水処理循環テクノロジーで関係を深める。スマートカー部品産業では、インドが30年までに電気自動車(EV)以外の販売を打ち切る方針のため、安全運転支援システムやコネクテッドカーなどの分野で提携機会を模索できる。

経験と製造力が武器

 インドは人口13億人以上で、20年に消費者向け電子製品市場の規模が4,000億米ドルに達する見通しだ。14年のナレンドラ・モディ首相の就任後、経済改革が進んでおり、国際通貨基金(IMF)の予測によると、インドの17年度(4月~18年3月)のGDP成長率は7.2%と、3年連続で中国を上回る見通しだ。

 台新証券投資顧問の黄文清副総経理は、インドに進出している台湾メーカーは電子製造関連が▽鴻海▽仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)▽緯創資通(ウィストロン)▽英業達(インベンテック)──、スマートシティー関連が▽友訊科技(Dリンク)▽研華科技(アドバンテック)▽聯発科技(メディアテック)▽神達投資控股(マイタック・ホールディングス)▽盛群半導体(ホルテック・セミコンダクター)──、グリーンテクノロジー関連の▽台達電子工業(デルタ・エレクトロニクス)▽佳世達科技(Qisda)▽晶元光電(エピスター)──、スマートカー関連の▽車王電子(モバイルトロン・エレクトロニクス)▽正崴精密工業(フォックスリンク)▽信邦電子──などと説明した。

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 うちメディアテックはインド地場ブランドの携帯電話メーカー向けに半導体チップを供給している。Dリンクは01年にインド子会社を上場し、インドのネットワーク設備市場でシェア40%以上を獲得している。

 証券会社は、台湾メーカーは早くからインドに進出しており、今後も高い製造力でインド市場開拓を進められると予想した。

工研院、スマートマシンで提携

 工業技術研究院(工研院)は12日、インド最大の研究開発機関、科学産業研究委員会(CSIR)と、提携MOUを交わした。スマートマシンなどの分野で提携を拡大する。工研院の張培仁副院長は、インド政府が求めている技術や商品で、台湾の関連技術を用いて協力し合い、インド市場に参入すると述べた。

/date/2017/10/13/00india2_2.jpg経済部の沈栄津部長(中)は、新南向政策で技術と人材交流、海外提携を促進し、台湾企業による海外の新興産業への進出を支援すると述べた(経済部リリースより)

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