次期内政部長への就任が決定していた国民党の廖風徳副秘書長兼組織発展委員会(組発会)主任委員が10日、台北市の自宅近くの公園を散歩中、突然倒れて亡くなった。57歳だった。
総統選の際、地元宜蘭にやって来た馬英九候補(当時)を迎える廖風徳氏(中央社)
11日付自由時報によると、廖氏は10日午後3時半ごろ、台北市木柵区の140高地公園の階段を歩いていて、急に体の不調を訴えて倒れ込んだ。
一緒にいた郭美芳夫人が助けを求め、消防隊員が駆け付けたとき、廖氏は既に呼吸も心臓も止まっていたという。午後4時過ぎに万芳医院に運ばれ蘇生措置が施されたが意識は回復せず、午後9時10分に死亡が宣告された。
死因は心筋梗塞で、廖氏は先日、中国・九寨溝への旅行から帰台した際、高山病の症状で万芳医院に入院し、その時の身体検査で心臓の血管2本で深刻な閉塞が見つかっていた。しかし、入閣準備のため直ちには手術を行わず、このことが今回の不幸につながった可能性もある。
廖氏倒れるとの一報が入るや、馬英九次期総統、蕭万長次期副総統、劉兆玄次期行政院長、呉伯雄国民党主席ら、次期政権・与党の重要人物が続々と万芳医院に駆け付けた。廖氏の死去に呉主席は、「廖氏はこの1年働きづめだった」と無念そうに語った。新政権は新たな内政部長の人選に着手せざるを得なくなった。
廖氏は宜蘭県冬山高郷の出身で、国民党の組発会主委として、2004年と08年の立法委員選挙、05年の県市長選挙、06年の台北高雄市長選挙で勝利に貢献した。若い頃は廖蕾夫のペンネームで台湾郷土色の強い小説も執筆し、農村の人々のどん欲さや利己主義を鋭く批判した「隣の親戚」は、人気テレビドラマになって7年間にわたり放送された。