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モテックとギガソーラー・マテリアルズ、太陽電池モジュールで合弁


ニュース その他製造 作成日:2017年10月18日_記事番号:T00073430

モテックとギガソーラー・マテリアルズ、太陽電池モジュールで合弁

 太陽電池最大手、茂迪(モテック・インダストリーズ)は17日、太陽電池用導電性ペーストの碩禾電子材料(ギガソーラー・マテリアルズ、GSMC)と合弁で、太陽電池モジュールの新会社を設立すると発表した。来年第1四半期に生産能力1ギガワット(GW)の工場を稼働する計画だ。合併を発表した新日光能源(ネオソーラーパワー、NSP)など太陽電池大手3社も1GWのモジュール工場を計画している。ただ、業界再編が進んでも、生産能力過剰が解消されなければ赤字脱却は困難なままだ。18日付経済日報などが報じた。

/date/2017/10/18/08motech_2.jpg張董事長は、競合3社が1社になるのはモテックにとって朗報だと3社合弁を評した(17日=中央社)

 新会社の社名は「台湾太陽能模組製造(TSMMC)」で資本金は10億台湾元(約37億円)。初回払込は1億8,000万元で、出資比率はモテックが90%、ギガソーラー・マテリアルズが10%。モテックの張秉衡董事長は、合弁会社にもう1社加わる予定で、3社目が決定次第、行政院国家発展基金(国発基金)に出資を申請すると述べた。

 TSMMCは、南部科学工業園区(南科)に1GWの太陽電池モジュール工場を建設する。当初は250メガワット(MW)で稼働し、需要に応じて増産する。張董事長は、太陽電池モジュールの生産能力拡張は容易だが、売るのは困難で、海外販売先の拡大には時間がかかると説明した。
/date/2017/10/18/01solar_2.jpg

最終的に2~3社へ

 16日に発表されたネオソーラー、昱晶能源科技(ジンテック・エナジー)、昇陽光電科技(ソーラーテック・エナジー)の3社合併計画について張董事長は、太陽電池業界は供給過剰が過去6~7年続いており、再編が必須だが、合併でなく撤退するメーカーがなければ、根本的な問題は解決しないと語った。また、太陽電池のサプライヤーは最終的に2~3社に絞られるとの見方も示した。

 ネオソーラーなどの3社合併では、シリコンウエハー、太陽電池、モジュール、太陽光発電システムまで垂直統合が完成する。モテックも太陽電池が主力製品だが、川上のシリコンウエハーや、川下の太陽電池モジュール、太陽光発電所にも力を入れている。張董事長は、モテックは屏東県で400MWの太陽光発電所を建設すると語った。今後2~3年で200億元を投じる。

台湾内需に限界

 張董事長は、中国メーカーは現地にサプライチェーンがあり、人件費が安く、政府の支援を受けているので、台湾メーカーはこれまで、価格競争に持ち込まれれば勝負にならなかったと指摘した。ただモテックは、中国の昆山(江蘇省)、徐州(江蘇省)、馬鞍山(安徽省)に工場があり、いずれも黒字だと説明した。一方、台湾拠点はプレッシャーが大きく、台湾政府が2025年までに太陽光発電システムの設備容量20GWを目指しているが、これは業界にとって最低限の量だと指摘した。

 証券会社は、台湾の太陽電池産業の生産能力が13GWに上る一方、台湾政府の太陽光発電導入目標は年間2GWで、今年は1.3GWしかないと指摘した。世界でも太陽電池の生産能力は過剰で、今年上半期に黒字だった関連メーカーはギガソーラー・マテリアルズぐらいで、残りはほぼ赤字だったと説明した。

【表】