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護身グッズ携帯、処罰の恐れも


ニュース 社会 作成日:2017年10月18日_記事番号:T00073447

護身グッズ携帯、処罰の恐れも

 2014年5月に台北都市交通システム(MRT)で起きた無差別殺傷事件(4人死亡、24人負傷)など、通り魔事件や暴力事件の発生を受け、護身用の警棒やスタンガンを携帯する市民が増えている。しかし、こうした護身グッズは法律で無許可の携帯が禁じられており、警察に発見された場合、没収された上、処罰を受ける可能性がある。これに対し一部の市民から「襲われたら黙ってやられろというのか」と疑問の声が上がっている。

 自由時報の街頭調査によると、護身グッズで最も効果的と市民が考えているのは、携帯性、防衛力に優れた警棒とスタンガンで、これにトウガラシ成分入りの催涙スプレーが続いた。

 ただ警棒やスタンガンの携帯は「社会秩序維持法」により申請が必要となるほか、警備員などを除き、一般市民が携帯することは認められていない。このため警察に発見された場合、処罰の対象となる。一方、催涙スプレーのほか、木製や金属製のバット、こん棒の携帯は可能となっているが、催涙スプレーについては携帯性が高いものの、防衛力が不十分と懸念する声が聞かれた。

 警察は、先ごろ台湾大学で行われた中国の団体が主催した音楽イベントで、開催に反対した学生が統一派団体のメンバーに警棒で殴打されて負傷した事件では、警棒が凶器として使用されたと指摘。取り締まりを行わなければ今後、同様の事件が再発する恐れがあると説明した。

 これに対し市民からは、通勤通学時に警棒を携帯していれば、通り魔犯に遭遇した場合に命を守ることができるため、これを認めない法律は市民の自衛権を奪うものだと批判する声が上がっている。ある市民は「バットで殴られても人はけがをする。警棒だけを規制する理由が分からない」と指摘し、規制を緩和するべきと訴えた。

 警棒やスタンガンの携帯禁止は、けんかが殺傷沙汰に発展しないためなど、市民の保護が目的だ。もし市民が皆、こうした武器を持つようになればかえって治安は悪化する恐れがある。しかし無差別殺人犯のような人物によって法律を順守する一般市民が犠牲になっては元も子もない。社会全体で議論が必要な問題だ。