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HTCが新旗艦機種「U11+」、再出発託す


ニュース 電子 作成日:2017年11月3日_記事番号:T00073731

HTCが新旗艦機種「U11+」、再出発託す

 スマートフォン大手、宏達国際電子(HTC)は2日、今流行の画面アスペクト比18:9のインフィニティディスプレイ(狭額縁設計)を同社で初めて搭載した、握って操作できる旗艦機種「HTC U11+」を発表した。グーグルへのスマホ受託生産部門の研究開発(R&D)者2,000人などの売却発表後、初の新製品発表だ。張嘉臨スマホIoT(モノのインターネット)事業総経理は、来年もスマホ5~6機種を発売すると表明し、スマホ自社ブランド事業の維持に注力する構えを示した。3日付工商時報などが報じた。

/date/2017/11/03/00htc_2.jpgHTCは「U11+」発売を、アップルの「iPhoneX」発売前に滑り込ませた(2日=中央社)

 U11プラスは、画面占有率82%の6インチインフィニティディスプレイを搭載し、前モデルU11で人気を博した、握るだけで操作できる「エッジセンス」機能をアップグレードした。AI(人工知能)音声アシスタントは「グーグルアシスタント」と「アマゾンアレクサ」に対応する。

 ワイヤレス充電、デュアルレンズではないものの、クイックチャージ(QC)3.0対応の3,930mAh(ミリアンペア時)大容量バッテリーで、背面カメラは1,200万画素の「ウルトラピクセル3」、前面カメラは800万画素で画角85度の広角レンズ搭載する。販売価格は、メモリ4GB(ギガバイト)/ストレージ64GBモデルが1万9,900台湾元(約7万5,000円)、6GB/128GBモデルが2万1,900元。

 公式サイトや専売店で2日より予約受付を開始し、セラミックブラックは早ければ来週末、アメイジングシルバーとトランスルーセントブラックは今月中旬~下旬に出荷する。通信キャリア5社は今月10日に通信契約とセットでの販売を開始する。

 カラー3色のうち、トランスルーセントブラックは世界で初めて3次元(3D)リキッドガラスを搭載した。トランスルーセントは半透明の意味で、スマホ背面の陶器のようなみずみずしさをアピールする。

/date/2017/11/03/00u11_2.jpgトランスルーセントブラックは角度によって、中の近距離無線通信規格「NFC」センサーが透けて見える(2日=中央社)

台湾3位に返り咲きも

 張総経理は、U11プラスは今年最も重要な旗艦機種で、最も期待していると語った。張総経理は、台湾と中国で先行発売した後、11月中旬以降、欧州、米国、中東市場に投入すると述べた。その他市場では11月末に発売する。一部市場では「U11ライフ」を投入する。また張総経理は、来年は5,000~2万元の新機種を、従来計画通り5~6機種発売すると語った。

 根強い人気のロックバンド、五月天(メイデイ)を再度イメージキャラクターに据え、年内に台湾販売台数3位以内を視野に入れる。HTCは台湾での9月販売台数が市場シェア7.2%で5位圏外だった。

中国ではミドルエンド狙いに

 競争が激しい中国ではこれまでハイエンド機種を中心に投入していたが、来年からは2,000人民元(約3万4,500円)以上のミドルエンド機種に切り替える。インドでは1万ルピー(約1万7,500円)以上をターゲットにする。

 HTCはスマホ不振で、赤字が今年第2四半期まで9四半期続いている。2016年に発売したバーチャルリアリティー(仮想現実、VR)対応のヘッドマウントディスプレイ(頭部装着ディスプレイ、HMD)「HTC Vive」もいまだに市場規模が大きくない。こうした中、HTCが9月下旬、収益源とみられるグーグルのスマホ「ピクセル」受託生産に関わった部門の2,000人をグーグルに11億米ドルで売却し、特許などをライセンス供与すると発表したことから、スマホ研究開発力が低下し、自社ブランドを続行できないとの見方も出ていた。