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iPhoneXの初日販売5万台、鴻海が納期短縮も


ニュース 電子 作成日:2017年11月6日_記事番号:T00073767

iPhoneXの初日販売5万台、鴻海が納期短縮も

 アップルの新型スマートフォンiPhoneX(テン)は発売初日の3日、台湾で5万台以上がほぼ完売し、過去最高の売れ行きとなった。出足が鈍かった9月下旬発売のiPhone8シリーズと対照的だ。人気の256GB(ギガバイト)モデルで計算すると、初日売上高は20億台湾元(約76億円)を超えた計算だ。業界では、アップルが生産委託先の鴻海精密工業に対し、納期の1週間短縮を求めたとの観測が出ている。今年の生産量は1億5,000万台を上回り、過去最高を更新する勢いだ。6日付経済日報などが報じた。

/date/2017/11/06/01iPhoneX1_2.jpgアップルストアで3日、1番乗りを果たした男性は、シルバー、スペースグレイを1台ずつ購入した(3日=中央社)

 iPhone10周年記念のiPhoneXは、台湾での販売価格は64GBモデルが3万5,900元、256GBモデルが4万1,500元。月給1カ月分近いとの声があるものの、通信キャリアや販売店が一斉に発売したところ、家電量販店の燦坤3Cでは30分で1,000台売れ、徳誼数位科技(データ・エクスプレス)では午後3時に1,000台が完売した。通信キャリアの台湾大哥大(台湾モバイル)は販売実績を明かさず、6日に第2回入荷があるとのみ説明した。3C(コンピューター、通信、家電)販売店によると、購入者の7割が256GBモデルを選び、カラーの選択はシルバー、スペースグレイが半々だという。

 iPhoneXを手にした購入者は、初めて搭載された3D(3次元)顔認証システム「Face ID(フェイスID)」を競って試した。蘋果日報によると、目、鼻、口を写す必要があり、ロック解除はサングラスを掛けていた場合はできたが、マスク着用ではできなかった。化粧をした顔を登録しても、化粧を落とした後でもロック解除できた。双子の芸能人の依依と佩佩が入れ替わった場合では、ロック解除できなかった。ただ、双子の入れ替わりでロック解除できたケースもあった。アップルは公式サイトで、非常によく似た双子や兄弟姉妹、発育途中の13歳未満の子どもは、正確に認証できない場合があると説明している。なお、iPhoneX1台に付き、登録できる顔は1枚だけのため、セキュリティーに疑問を持つ消費者もいた。

/date/2017/11/06/01iPhoneX2_2.jpgあるユーザーは、フェイスIDは3~5秒で登録が完了でき、ロック解除も指紋認証より便利だと語った(3日=中央社)

来年3月まで供給不足か

 アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は3日、購入から受け取りまで6週間かかった出荷期間を短縮したが、いつ市場の需要を満足できるかは予測不能だと語った。

 アップルの公式サイトでは、iPhoneXの注文から出荷までは5~6週間だったのが3~4週間に短縮している。証券会社によると、iPhoneXとiPhone8プラスは鴻海精密工業が全て請け負い、iPhone8は和碩聯合科技(ペガトロン)が生産している。鴻海のiPhoneX生産能力は従来予測より徐々に高まっており、第4四半期の目標生産量は3,500万台、来年第1四半期は4,000万台との観測が出ている。

 証券会社は、アップルの業績発表を基に、iPhone全体の第4四半期出荷台数は8,100万~8,200万台で、市場予測を上回ると予測した。業界では、iPhoneX人気でアップルが生産量拡大を要望している上、欧米のクリスマスシーズン、中華圏の来年2月の春節(旧正月)に向け需要が高まるため、鴻海が生産を急いでもiPhoneXの需給が均衡するのは来年3月と予想されている。

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【図】