ニュース 社会 作成日:2017年11月7日_記事番号:T00073810
このほど中国経由でロシアを旅行した男性が、中ロ国境を超える際に中国政府が台湾人旅行者に発行する臨時のパスポートを利用した。しかし、帰台後、内政部移民署によって台湾の戸籍が抹消される事態となり、「海外旅行に1回行っただけで、台湾人なのに中国人になってしまった」と頭を抱えている。
台中市で旅行業を営む男性は10月、旅行会社、可楽旅遊が企画した中国東北部とロシアを5日間で巡るツアーに参加。一行は同月4日にまず中国の吉林省長春市に到着した後、高速鉄道でロシアと国境を接する同省の琿春市へ移動した。そして翌日、中国人ガイドの指示に従い、同市公安局で臨時に中国のパスポートを発給してもらい、これを持って観光バスに乗り、国境を越えてウラジオストクへと向かった。
旅行業者によると、台湾人旅行者が台湾のパスポートを使用してロシアに入国する場合、ビザ発行費用として4,400台湾元が必要となるが、中国の臨時パスポートを使用すればこれが1,000元余りで済むという。またこれは特に「裏技」などではなく、中国政府が台湾人旅行者の利便性を考慮して設けた措置で、政治とも無関係だと業界関係者は説明した。
しかし5日間の旅行を終え、台湾に戻った後の10月末、男性は突然、戸籍事務を取り扱う台中市の戸政事務所から連絡を受け、移民署の指示により中国のパスポートを取得したとの理由で戸籍が抹消され、台湾のパスポートも失効したと告げられた。
これに驚いた男性は立法委員に陳情を行い、台湾人としての身分を回復してほしいと訴えたところ、移民署は調査を行い、規定に違反していないことが判明すれば速やかに身分を回復すると説明した。
両岸人民関係条例では「台湾の市民が中国大陸に戸籍を登録したり、パスポートを取得した場合、台湾市民としての身分を失う」との規定がある。しかし今回のツアーに参加した約20人のうち、戸籍を抹消されたたのはこの男性だけだった。
先ごろ北京で開催された中国共産党第19回党大会で、出席した高雄市出身の大学教授、盧麗安氏が中国籍取得を理由に台湾戸籍を剝奪されたことが話題となったばかり。移民署が同問題に目を光らせる中、男性は旅行中、臨時に発給された中国のパスポートが物珍しく、フェイスブック(FB)にその画像をアップロードしており、これがあだとなった可能性がある。
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