クアルコムと中国3社提携、メディアテックに打撃


ニュース 電子 2017年11月10日

クアルコムと中国3社提携、メディアテックに打撃

記事番号:T00073867

 米中首脳会談に合わせて米中の企業間で9日、総額2,535億米ドル、34項目の契約が結ばれ、うち中国のスマートフォンブランド大手の広東欧珀移動通信(OPPO)、維沃移動通信(vivo)、小米科技(小米、シャオミ)の3社は、米半導体大手、クアルコムから今後3年で携帯電話用チップを計120億米ドル調達する覚書(MOU)を交わした。台湾のIC設計最大手、聯発科技(メディアテック)はOPPOやvivoなどからの受注をクアルコムに奪われ、来年の中国市場シェアが30%を割り込む懸念がある。10日付工商時報などが報じた。

/date/2017/11/10/00china_2.jpgトランプ米大統領(左)と中国の習近平国家主席(右)の米中首脳会談を受け、台湾では存在感低下への不安が高まり、株価指数が0.7%下落した(9日=中央社)

 市場調査会社、集邦科技(トレンドフォース)によると、中国3社のスマホ出荷台数は▽OPPO、1億1,600万台(世界市場シェア7.96%)▽vivo、1億200万台(世界シェア7%)▽シャオミ、9,100万台(世界シェア6.24%)──計3億900万台で、世界市場シェアは計21.19%。市場予測によると、来年のスマホ出荷目標は▽OPPO、1億3,000万台▽vivo、1億1,000万台▽シャオミ、1億3,000万台──。クアルコムのスマホチップの平均単価で計算すると、3社は今後3年、毎年2億~3億セットを調達する計算だ。

 メディアテックは近年、中国市場ではシェア40%前後で推移しており、今年は中国3社からスマホチップ1億2,000万セットを受注している。市場観測によると、第3四半期にリリースしたシステムオンチップ(SoC)「Helio(ヘリオ)P23」はOPPOとvivoに採用されたが、クアルコムが昨年リリースした「スナップドラゴン625」の方がよかったとの苦情が出ており、来年中国スマホメーカーによるメディアテックからの調達量は、縮小する可能性が極めて高い。

半導体産業全体に影響拡大も

 クアルコムが中国メーカーとの関係を深め、ブロードコムがクアルコム買収に成功すれば、メディアテックや瑞昱半導体(リアルテック・セミコンダクター)など台湾のIC設計会社が打撃を受けることは目に見えている。

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 半導体業界関係者は、クアルコムが中国スマホ3社の提携に続き、中国の半導体メーカーに技術移転をして生産を委託したり、江蘇長電科技(JCET)など中国の半導体パッケージング・テスティング(封止・検査)メーカーと提携を進めれば、台湾半導体産業への打撃はさらに大きくなると警鐘を鳴らした。

 工業技術研究院(工研院、ITRI)産業経済趨勢研究センター(IEK)は7日、中国政府が半導体産業への支援を強める中、2020年には台湾の半導体産業の生産額が中国に追い抜かれると予告している。

 また米中の経済協力が今後、LED(発光ダイオード)、液晶パネル、太陽電池などまで広がれば、台湾産業への打撃もさらに拡大する恐れがある。

【表】