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豪州就労の台湾人、8割が最低賃金以下


ニュース 社会 作成日:2017年11月24日_記事番号:T00074151

豪州就労の台湾人、8割が最低賃金以下

 オーストラリアの大学がこのほど発表した調査結果によると、ワーキングホリデー(ワーホリ)などの制度を利用して同国で働く台湾人短期労働者の約8割が、法定最低賃金を大幅に下回る報酬しか受け取っていないことが明らかとなった。

 同調査は昨年9~12月、107カ国・地域から豪州に来て短期的な仕事に就いている労働者4,322人を対象に実施された。うち2,392人が学生で、1,440人はバックパッカーだった。

 豪州では最低時給が22.13豪ドル(約1,900円)と法で定められているが、調査結果によると、台湾人労働者の79%が17豪ドル以下で働いていた。なお外国人労働者の搾取は台湾人のみが対象ではないようで、学生労働者の25%、バックパッカー労働者の32%が、時給12豪ドル以下だった。

 また時給17豪ドル以下で働く労働者の比率を国・地域別にみると、▽台湾人、79%▽ベトナム人、75%▽中国人、81%▽米国人、35%▽アイルランド人、38%▽英国人、45%──と欧米人に比べアジア人への搾取が横行しているようだ。

 食肉加工場で働く台湾人の女性バックパッカーも、「最初の1カ月は給料がもらえず、その後も時給は16.86豪ドルだった上、病気休暇を取ることも残業を拒否することもできず、毎日ロボットのように働かされた」と証言している。

 このほか、雇用主による違法行為は賃金だけにとどまらず、「パスポートを没収された」、「仕事に就く際に保証金を徴収された」といった声も聞かれた。さらに台湾人の仲介業者が、職場への送迎代を徴収したり、割高な宿泊施設を紹介するなど同胞の労働者をだます行為も頻繁に行われているという。女性バックパッカーが仲介業者からセクハラ行為を受けたとの目撃情報もある。

 近年、台湾の給与水準が低いため、単純労働でもより高い給与を夢見て豪州へ渡る若者も多いようだが、期待が裏切られるケースが多そうだ。