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移行期の正義促進条例成立、強権統治下の不法行為にメス


ニュース 社会 作成日:2017年12月6日_記事番号:T00074350

移行期の正義促進条例成立、強権統治下の不法行為にメス

 国民党による強権統治の合法性を否定し、正義を取り戻そうとする「移行期の正義促進条例(促進転型正義条例)」が5日、立法院で成立した。6日付聯合報が伝えた。

/date/2017/12/06/19Zheng_2.jpg国民党の鄭天財立法委員(右)は、条例の対象に先住民族を含める主張をした際に発言を妨害され、水筒を投げて怒りをあらわにした(5日=中央社)

 条例成立を受け、移行期の正義促進委員会(促進転型正義委員会)が強権統治期の自由民主主義に反する不法行為の是正に取り組み、正当な理由なく調査を拒否した機関、団体、企業、個人には最高で50万台湾元(約190万円)の罰金を科す。

 同条例は与党民進党が制定を強く推し進めてきたもので、昨年6月に委員会通過後、与野党折衝は難航したが、蘇嘉全立法院長が職権で本会議に条例案を上程し、民進党が多数議席を背景に可決に持ち込んだ。

 国民党や親民党は条例の対象に慰安婦問題、先住民族、金門・馬祖地区なども含めるべきと主張したが、与党に否決された。

 同条例は強権統治の期間を1945年8月15日から92年11月6日までと規定し、移行期の正義促進委員会は行政院傘下の第2級独立機関となる。

 当面ターゲットになるのが、「中正紀念堂」など強権統治の象徴だ。今後は強権統治者を記念、称賛する公共の建築物や場所について、移動撤去、改称などの措置を取る。また、政治犯の名誉回復も図られる。

 条例可決について、蔡英文総統はフェイスブックで「移行期の正義推進は民進党がこの土地と人民に約束したことで、理念の上において妥協したことはない」と評価。

 一方、国民党は遺憾の意を示し、条例は「違法かつ違憲」だとして、違憲立法審査を求めることを示唆した。