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ハイライフが小型店500店展開へ、コンビニ大手2社と差別化


ニュース 商業・サービス 作成日:2017年12月7日_記事番号:T00074364

ハイライフが小型店500店展開へ、コンビニ大手2社と差別化

 コンビニエンスストア台湾3位、萊爾富(ハイライフ)は年内に面積10~20坪の小型店を台北市と新北市で3店出店し、3年以内に500店舗まで拡大する。10年余りぶりの大規模出店計画だ。コンビニがない地方や、ハイライフがまだ出店していない地域を攻める。24時間営業とはしない。大手2社のセブン-イレブンと全家便利商店(台湾ファミリーマート)が商品とサービスの多様化で大型店に注力する中、ハイライフは小型店舗による差別化で対抗する。7日付工商時報が報じた。

/date/2017/12/07/00top2_2.jpgハイライフ第3世代店舗は黒と白が基調で、赤・白・ピンクの既存店舗から大幅なイメージチェンジとなる(同社提供)

 ハイライフ第3世代店舗はまず12月25日、26日に北市日出店(台北市文山区)、北市西湖店(台北市内湖区)、亀山文青店(桃園市亀山区)でオープンする。営業時間は午前7時~午後11時。既存の加盟店(フランチャイジー)を中心に、来年4月末までに50店以上を出店する。3年以内に500店まで拡大し、これにより年間売上高の120億台湾元(約450億円)増加を見込む。

 コンビニでは20%の商品が売上高の80%に貢献しているといわれており、ハイライフの第3世代店舗では、売れ筋20%の商品を中心に600~1,000品目を陳列する。なお、標準的な面積の店舗の商品数は約3,000品目だ。

 汪裕豊総経理は、コンビニの原点は便利さのため、第3世代店舗のキャッチコピーは「便利だからシンプル」とし、消費者にとって使いやすく、コストパフォーマンスの高い店舗にすると話した。店舗の外装は、黒字に白色で「Hi-Life Cstore」の文字を入れ、空や海の色の青で、生き生きとした開放的なイメージを表現する。

 汪総経理はまた、ハイライフは近年大規模出店を行っていないが、昨年は前年比で8,000万元の増益となり、今年も1億元以上の増益を達成できる見通しだと話した。

 ハイライフは大規模な店舗展開とインターネット通販対応を見据えて、中南部に物流総合倉庫の設置を計画している。投資額は10億台湾元(約37億円)。インターネット通販のコンビニ店舗受け取りが増え、新北市樹林区にあるEC(電子商取引)物流倉庫での取り扱い件数が月200万件近く、20倍に増えているためだ。ハイライフの店舗では、年内にコールドチェーン(低温流通体系)の店舗受け取りサービスも開始する。

 ハイライフは1989年設立。牛乳大手、光泉牧場(KCデイリー)関連会社の萊爾富国際による台湾資本のコンビニだ。汪総経理はKCデイリー創業者、故・汪水泉氏の孫。

通販商品の受け取りで大型化

 経済部統計処の統計によると、台湾全土の昨年5月末時点のコンビニ店舗数は全1万199店で、平均2,304人に1店あるほど密度が高く、レッドオーシャン(競争の激しい既存市場)だ。内訳は▽統一超商(プレジデント・チェーンストア)のセブン-イレブン、5,040店▽ファミリーマート、2,998店▽ハイライフ、1,281店▽OK便利店(旧サークルK)、880店──など。

 コンビニ業界は、商品やサービスの多様化が進む中、イートインスペースの設置、インターネット通販の店舗受け取り用商品の保管スペース確保などが必要となり、新規出店は面積30坪以上の大型店が中心で、2階建ての店舗もある。

 さらにセブン-イレブンは無人店舗計画を表明している。ファミリーマートは、▽牛丼チェーンの吉野家▽ドラッグストアチェーンの大樹連鎖薬局(グリーン・ツリー・ファーマシー)▽オーガニックスーパーマーケットの天和鮮物──など、異業種との提携による複合型店舗を増やしている。