コンビニエンスストア最大手、セブン－イレブンは11日、2018年１月から全5,200店で、クレジットカード払いが利用できるようになると発表した。当面は国泰世華銀行（キャセイ・ユナイテッド・バンク）発行のクレジットカードが対象で、電子決済サービス「アップルペイ」、「アンドロイドペイ」、「サムスンペイ」も利用できるようになる。全家便利商店（台湾ファミリーマート）は今年11月から銀行４行のクレジットカード払いに対応している。コンビニ大手２社は来年、キャッシュレス決済比率が20～25％まで上昇する見通しで、客単価の上昇にも貢献しそうだ。12日付経済日報などが報じた。

セブンーイレブンで来年１月に国泰世華銀のクレジットカードを使って支払うと、500元で50元が還元される。アップルペイなどの場合は100元引きだ（11日＝中央社）

　セブン－イレブンは、年内に台北市や新北市など1,700店に新型のクレジットカード決済端末機を設置し、来年１月末までに全5,200店に拡大する。現金、サイン、レシート印刷が不要で、スピーディーに支払いできる他、統一発票のくじ抽選番号も自動登録できるので、消費者の利便性が向上する。電気や水道など公共料金のクレジットカード払い受付も計画している。国泰世華銀以外にも提携行を増やす予定だ。

　台湾のセブン－イレブン運営会社、統一超商（プレジデント・チェーンストア）の陳瑞堂総経理は、キャッシュレス決済比率が今年の18％から来年は25％まで上昇し、決済額は350億台湾元（約1,300億円）に達すると効果を予想した。

　また陳総経理は、統一超商の電子マネー「icash」で支払う場合は現金払いより客単価が20元以上高く、クレジットカード払いを先行導入した400店余りでは客単価が７倍に上ったと指摘した。セブン－イレブンは、店頭でのロボット掃除機や液晶テレビなどの予約を通じた高額商品の購入が増えており、クレジットカード払い導入によって客単価がさらに上昇すると見込んでいる。

　セブン－イレブンは、04年に電子マネー「icash」を導入し、キャッシュレスサービスを開始した。続いて交通ＩＣカードの「悠遊カード（イージーカード）」、「一卡通（Ｉパスカード）」、モバイル決済アプリの「Ｐｉ行動銭包」、中国信託商業銀行（ＣＴＢＣバンク、中信銀）の「直接付」、ＬＩＮＥ（ライン）の「LINE Pay」、「街口支付（JKOPAY）」などを導入し、現在16種類の現金以外の支払い手段を利用できる。キャッシュレス決済は過去５年で50％増え、決済件数は年間延べ３億回、決済額は260億元に増えた。

　台湾政府は、25年にキャッシュレス決済比率90％を目指している。今年１～９月のモバイル決済額は100億元以上で前年同期の23億6,000万元から４倍以上に増えたものの、依然現金払いが根強いのは利用頻度が高いコンビニなどが原因とみられている。

ファミマ、現金客５割以下へ

　全家便利商店（台湾ファミリーマート）は台新国際商業銀行（台新銀行）に加え、今年11月から国泰世華銀、中信銀、玉山商業銀行（Ｅサン・コマーシャル・バンク）発行のクレジットカード払いが利用できるようになった。今年「アップルペイ」、「アンドロイドペイ」、「サムスンペイ」も使えるようになり、現金以外の支払い手段26種類に対応している。今年のクレジットカード決済件数は前年の７倍に増え、キャッシュレス比率は15％、決済額は100億元以上の見通しだ。

　ファミリーマートは、18年には現金以外による支払いが１億件、決済額が100億元を超え、キャッシュレス決済比率は20％まで上昇すると展望する。20年のキャッシュレス決済比率50％を目指している。

11月そろって増収

　統一超商が11日発表した11月連結売上高は176億5,000万元で前年同月比1.97％増、１～11月は2,018億8,000万元で前年同期比2.29％増だった。日本ブランドと提携した鮮食（調理済加工食品）が若者に受け、売上高が10％増えた他、入れたてコーヒー「シティーカフェ」で森永製菓と提携の「森永ミルクキャラメルミルクティー」を限定80万杯売り出したところ、１カ月で売り切れた。

　ファミリーマートは11月連結売上高が51億9,500万元で前年同月比6.39％増だった。１～11月は589億4,000万元で前年同期比6.28％増だった。冷え込みが強まり、おでん「極品関東煮」が前年同期比４割以上の売り上げだった。

【表】