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知的財産裁、処理案件の急増懸念


ニュース 法律 作成日:2008年5月15日_記事番号:T00007447

知的財産裁、処理案件の急増懸念

 
 知的財産裁判所が7月1日に発足するのを前に、地裁管轄の案件が大量に回され、審理速度が低下することに懸念が指摘されている。司法院関係者は「知的財産裁は技術的判断を行うのが専門であり、技術的な側面がない特許権紛争は地裁で処理するのが望ましい」との考えを示した。

 15日付工商時報によると、司法院は知的財産裁発足後の処理案件を年間2,500~3,000件と見込んでいる。発足当初は裁判官8人と技術審査官9人で構成される。産業界では知的財産裁による迅速な審理に対する期待が高いが、人手が限られるため、裁判官には大きなプレッシャーとなりそうだ。

 司法院関係者は、「知的財産裁は新規案件のみを受理し、現在地裁で審理中の案件が知的財産裁に送られることはない。ただ、地裁の裁判官は新規に受理した案件を知的財産裁に送るべきかどうか判断できる」と説明している。

 司法院の資料によると、日本の知的財産高等裁判所には裁判官15人、調査官11人が配置され、年間550~600件を処理する。独連邦特許裁判所も法律裁判官61人、技術裁判官57人が配置され、年間3,000件を取り扱う。これに比べると、台湾の知的財産裁にかかる負担は大きいといえる。