ニュース 社会 作成日:2017年12月21日_記事番号:T00074640
台湾では4年前に交通違反の通報制度が導入されている。道路上に記された赤い線(通称「紅線」)をはみ出して駐車した場合、バイクで600台湾元(約2,300円)、自動車で900元の罰金が科されるが、こうした違反を積極的に警察に通報する「摘発の達人」が各地におり、台北市万華区の南機場夜市では11月、1人の人物から1,000件以上の通報があったという。ちなみに、通報しても賞金はもらえない。付近の住民は「違法駐車が減って街の秩序が改善する」と歓迎する一方、屋台店主からは「夜市のイメージが悪くなって客が寄り付かなくなる」との声が出ている。
台北市警察局中正第二分局によると、同局に寄せられた交通違反の通報件数は昨年1万2,000件、今年は10月までで1万3,000件を超えた。南機場夜市周辺からの11月の違法駐車通報は2,212件で、このうちの半分の1,000件以上が1人の人物によってなされたという。
南機場の他、南投県の草屯鎮、台東市の大東夜市でも、現地の「通報の達人」が熱心な活動を展開している。大東夜市では、道路上の白線を超えて営業していた屋台が「達人」に盗撮の狙い撃ちにされた。通報を受けた警察は罰金1,200元の反則切符を17枚を切り、店主は「商売上がったりだ」と嘆くことしきりだった。この店主は南機場夜市の「達人」の話を聞くと、「1カ月に1,000件以上とは、ただひたすら通報するためだけに生活を送っているのではないか。あまりに暇過ぎではないか」とあきれたようすだった。
逢甲大学運輸物流学系の李克聡教授は通報制度の問題点について、「通報された人の中には、通報によって仕返しをしようとするので悪循環を生む」と指摘する。南機場夜市の「達人」も案外こんな人物なのではないだろうか。
また、警察も通報に対応するだけで手一杯となり、他の業務に影響が出ているという。このため李教授は、警察は通報で知った違反に対し、即罰金という対応をとるのではなく、最初のケースでは指導にとどめるべきで、その方が市民の交通ルールを守ろうという意識を高められると提言している。
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