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チューリッヒ台湾解散、外資生保の撤退10年10社に


ニュース 金融 作成日:2018年1月12日_記事番号:T00074977

チューリッヒ台湾解散、外資生保の撤退10年10社に

 保険大手、スイスのチューリッヒ・インシュアランスが8日で生命保険の台湾支社を解散・清算した。2008年のリーマンショックを含む世界金融危機以降、台湾市場から撤退した外資系生保は10社に上る。生保業界は6年連続で新規保険料収入1兆台湾元(約3兆7,600億円)台を維持し、台湾大手5社が市場シェア68%を握っている。業界関係者は、台湾企業ばかりでは保険商品の創意工夫が失われ、競争力が低下すると懸念を示した。12日付経済日報などが報じた。

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 チューリッヒは04年末に台湾市場からいったん撤退した後、08年に再進出を果たしたものの、14年3月で生命保険商品の販売を終了。17年1月に損害保険子会社をトヨタの台湾総代理店、和泰汽車グループに売却していた。

 生保会社の幹部は、チューリッヒは2度目の台湾進出時、保険ブローカーや代理店販売を中心に、銀行経由の販売も行い、変額年金保険など投資型商品を販売していたと説明。変額年金保険はけがや病気の補償がなく、損失が発生した場合のリスクを保険契約者が負うため、責任準備金を積み立てる負担が少なかったものの、うまくいかなかったようだと述べた。

 金融監督管理委員会(金管会)保険局は11日、チューリッヒは14年3月の新規契約の販売停止時点で811件の契約があったが、昨年12月22日で有効な保険契約がなくなったので、免許取り消しを申請していたと説明した。従業員8人は労働契約を終了する。

 保険局の統計によると、AXA(アクサ生命、安盛国衛人寿)も01年12月に同業への売却が認められ、既に新規契約を販売していない。期限内の契約は463件残っており、終了後、チューリッヒ同様に台湾から撤退するとみられる。

大手5社、軒並み1千億元

 生保業界の17年新規保険料収入は前年比1%減の1兆2,590億元と、12年以降の6年連続で「1兆元産業」の地位を維持している。今年は1兆3,000億元を突破し、過去最高を更新する見通しだ。

 昨年の上位5社は、▽国泰人寿保険(キャセイ・ライフ・インシュアランス)、2,333億元(前年比17%増)▽南山人寿保険、1,987億元(15%減)▽富邦人寿保険、1,745億元(14.6%減)▽台湾人寿保険、1,425億元(1.9%増)▽新光人寿保険(SKL)、1,100億元(3%減)──で、いずれも1,000億元を上回っている。

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