ニュース 社会 作成日:2018年1月17日_記事番号:T00075069
高雄市の半屏山(左営区、楠梓区)の地中には、日本統治時代に掘られた巨大な貯水施設が存在するとの「伝説」が歴史研究者などの間で長く語り継がれてきたが、昨年末に行われた調査によってこれが事実だったことが明らかとなり、市民から「伝説は本当だった」と驚きの声が挙がっている。
高雄市の郷土文化振興団体、旧城文化協会は、旧日本海軍の第6燃料廠を前身とする台湾中油(CPC)の高雄製油所(楠梓区)が2015年に稼働を停止した後、同施設内の文化資産について調査を進めていた。その過程で、CPCが日本側より引き継いだ目録と地図から、第二次世界大戦中の1943年に、日本軍が半屏山の地中に秘密のトンネル型貯水施設を建設していたことが判明した。
同目録によると、同貯水施設は44年1月に竣工し、現在の高雄市大樹区で高屏渓から取水し、水道管を使って第6燃料廠の地下を経由して半屏山の貯水施設まで水を送り込み、必要な際には市内の地下に設置された水道管を通じて海軍駐屯地に給水し、軍隊や軍艦で使用する計画だったとされる。
こうした資料を基に同協会が昨年末、半屏山で実地調査を行ったところ、実際に地中から高さ、広さとも各10メートル、奥行きが120メートルにも及ぶ巨大な施設が見つかった。
約70年ぶりに姿を現した同施設は、石灰岩の地層にトンネルを掘り、壁を約80センチの厚さのセメントで固めた作りとなっていた。またトンネルの上部にある入口に向かって傾斜角度80度の穴が掘られ、中に階段が設置されていたが、長らく放置されていたため、ステップ部分には鍾乳石がびっしりと堆積していた。
旧城文化協会の郭吉清理事長によると、現在、施設内に水はなく、内部の壁に付いた水の跡も浅いことなどから、貯水施設としてはほとんど使用されなかった可能性があるとみられる。ただ土木技術や軍事戦略の面から、台湾にとって貴重な歴史建造物であることに違いはないと指摘した。
今回の発見を受けて高雄市政府文化局は、今後、専門家に依頼して施設の保存状況やその歴史的価値について詳しく分析すると表明した。
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