ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム 会社概要 採用情報 お問い合わせ

コンサルティング リサーチ セミナー 在台日本人にPR 経済ニュース 労務顧問会員

製造業18年生産額3.4%増、輸出拡大続く=IEK


ニュース その他製造 作成日:2018年1月18日_記事番号:T00075075

製造業18年生産額3.4%増、輸出拡大続く=IEK

 工業技術研究院(工研院、ITRI)産業経済趨勢研究センター(IEK)は17日、台湾製造業の2018年生産額予測を18兆9,300億台湾元(約71兆3,000億円)で前年比3.49%増に0.24ポイント上方修正した。世界景気の拡大に応じて台湾の輸出は成長を取り戻しており、▽化学工業▽情報電子▽金属機電▽民生工業──の4分野いずれも高い稼動率を維持するとの見方を示した。18日付工商時報などが報じた。

/date/2018/01/18/01sales_2.jpg

 IEKによると、製造業の17年生産額は18兆2,900億元で前年比5.53%増だった。蘇孟宗IEK主任は、台湾の17年輸出総額は前年比13%増と、11年以降で最大の伸びを記録したと指摘した。世界景気は今年も拡大し、国際原材料価格は堅調に推移する見通しで、台湾の輸出総額は拡大が続くとみられ、製造業生産額の増加につながると予測した。

 産業別の18年生産額予測は、伸びが大きい順に▽化学工業、4.88%増(前年6.73%増)▽情報電子、3.96%増(前年4.02%増)▽金属機電、2.42%増(前年8.2%増)▽民生工業、1.86%増(前年1.76%増)──で、情報電子以外は上方修正した。

半導体需要、モバイル新製品次第

 IEKは、製造業で最も構成比が大きい情報電子産業について、前年とほぼ変わらない伸び幅を予測した。米国の需要が強く、半導体の先進プロセス移行が進む中、高性能計算(ハイパフォーマンスコンピューティング、HPC)関連チップの需要は依然強いが、今後のモバイル新世代端末の売れ行きが左右すると指摘した。

 化学工業については、今年の国際原油価格は前年平均より高い予測で、原材料価格が堅調に推移し、台湾メーカーの製品価格にとって有利だと指摘した。

 金属機電産業は中国への輸出が増えると予測した。中国政府の「サプライサイド(供給側)構造改革」で、鉄鋼需要が増えるためだ。ただ、中国政府が最近、環境汚染対策を強化し、低レベルの生産能力の排除を進めていることから、中国に工場があるメーカーに影響が出ると指摘した。今年の世界の鉄鋼需要は微増と予測した。

 IEKによると、台湾製造業の16年付加価値率は30.3%と過去23年で最高だった。

台湾生産車、てこ入れ提言

 このほかIEKは、昨年の自動車産業の生産額は6,109億元で前年比4.6%増と発表した。内訳は▽完成車▽自動車部品▽カーエレクトロニクス──の3分野で、カーエレクトロニクス産業が初めて2,000億元を突破し、完成車産業を上回った。

 これは、カーエレクトロニクス産業の成長以外に、台湾生産車の販売が輸入車に押されている上、完成車の輸出も中東市場の需要低迷、親会社の戦略転換などで、2年連続の大幅な前年割れとなっていることが理由だ。

 昨年の新車登録台数は前年比1.1%増の44万5,000台で過去12年で最高だった。うち台湾生産車の新車登録台数は前年比3.7%減で、市場シェア58.3%に縮小した。一方、輸入車の新車登録台数は8.9%増で、シェアは41.7%と過去最高を更新した。

 こうした状況を踏まえIEKは、▽老朽化した車両の廃車を進め、台湾生産車への買い替えを刺激▽電気自動車(EV)などクリーンエネルギー自動車を推進▽自動運転車など新技術の認証制度、試験場の整備──の3点を提言した。

【表】