ニュース 社会 作成日:2018年1月22日_記事番号:T00075145
「みんなが知ってるマクドナルドのCM、あの最後にジングルを口笛で吹いているのはぼくなんだ」──そう語るのは世界各地でコンサートを開催している口笛演奏家の李育倫さん(42)だ。映画やCM、コンサートなどに引っ張りだこの彼が、人気演奏家へとなるまでの道のりを語った。
李育倫さん(右)は親子で口笛コンサートを開いたこともある(フェイスブックより)
台湾初の口笛演奏家、李貞吉さんを父親に持つ李さんは4歳のころから口笛を吹くようになり、7歳の時には父が教師を務めていた大学で初めてステージに立ち、拍手喝采を浴びた。
しかしちょうどそのころ、転校した李さんは、新しい友達と仲良くなりたいと考えて全校生徒の前で口笛演奏を披露したが、思いもよらず笑いものになり、中には手を挙げて「先生、おしっこに行きたい(台湾では乳幼児に排尿を促す際に口笛を吹く習慣がある)」などとからかう者さえあった。
この出来事に傷ついた李さんは「口笛を吹くのは恥ずかしいこと」と考え、二度と人前で演奏することはなくなり、その後、彼の音楽に対する情熱は声楽や楽器の演奏に向かうこととなった。
そんな彼は29歳の時に米国へ留学し、セキュリティ・マネジメント学の修士号を取得した後、米プロバスケットボールリーグ(NBA)の記者やキャスターを務めたほか、米航空宇宙局(NASA)の宇宙科学教育に関する仕事に携わった。バンドのボーカル、ダンス教師など音楽関連の職に就いたこともあったが、仕事として口笛を吹くことはなかった。
そのころの生活について李さんは「どれも周りの人の期待に応えるためだったり、当時の世間的な価値観に従ったものだった」と語り、暮らしぶりは華やかで多忙なものだったが、いつも心の中にはどこか虚しさを抱えていたと振り返る。
敬虔(けいけん)なクリスチャンの李さんは「天が自分に与えた才能は何なのか」と考えるようになり、ある日の祈祷(きとう)の際、「私に祈りを捧げる声をもう一つ増やしてくれないか」との声を聞いたそうだ。すぐにこれが口笛のことだと悟った彼は、父親の誘いを受け入れ、約20年ぶりにステージに立った。
これをきっかけに本格的に口笛演奏家としての活動を開始。口笛専門のCDアルバムをリリースしたり、台北市の国家音楽庁を含め世界各地でコンサートを開催するなど一躍人気演奏家となった。そんな李さんは「口笛を通じて多くの人に会い、みんな一人一人が自分にしかない才能を持っているということを伝えたい」と語っている。
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