ニュース 社会 作成日:2018年1月24日_記事番号:T00075193
台北市・忠孝西路の北側に位置する史跡で、日本統治時代に建てられた旧三井物産倉庫(三井倉庫)は現在、周辺地域の再開発計画に伴い、移築、再建が進められており、今月18日に移築地点で上棟式が行われた。工事は既に80%が完了しており、8月に一般公開される予定だ。
三井物産の古いロゴマークが描かれた外壁のアーチ型部分は1階に展示される。レンガなどの材料はできる限り再利用され、当時の雰囲気を伝える(中央社)
三井倉庫は木造の骨組みにレンガの外壁を備えた西洋風の2階建て建造物で、正面上部には三井物産の古いロゴマークが描かれている。具体的な建設時期や用途は明らかとなっていないが、三井物産が20世紀初頭、台湾で手掛けていた茶葉や樟脳、木材関連の事業用に使用されたとみられる。
戦後、同倉庫は台湾省政府の管理下に置かれた後、2002年に台湾鉄路(台鉄)に所有権が引き継がれたが、長らく使用されず、放置されていた。さらに10年、公園用地として台北市政府に譲渡されたものの、日本統治時代に台湾の対外貿易に多大な影響力を持っていた三井物産の倉庫は歴史的価値が高いとして、11年に歴史建築に指定された。
その後14年に就任した柯文哲台北市長が台北駅西側地域の再開発計画を推進したことに伴い、三井倉庫の移築が提案された。これに対し、歴史研究者などから現在地に留めるよう求める声が上がったが、市は最終的に51メートル離れた地点に移築することを決定。16年10月より解体工事が進められてきた。
その後の調査により、三井物産の古いロゴマークが描かれた外壁のアーチ型部分は、材料のモルタルの粘着度が低下していることが判明し、再建後は室内に展示されることとなった。また長らく放置されていたため、屋根や床板などの木材も腐敗が進んでおり、再建に当たって使用されるのは4分の1ほどにとどまる見通しだ。一方、外壁のレンガについては約70%を再利用する方針だ。
このほか移築後は、台湾の歴史建築としては初めて免震技術を導入。震度7クラスにも耐えられる構造となる予定だ。
台北市文化局の田瑋副局長によると、今年4月に再建工事が完了し、8月から試験的に一般公開を開始する予定で、1階部分は旅行案内センターおよび文化資産情報の提供拠点、書店などが設置され、2階は文化交流・展示などを行うスペースとして活用する計画だ。
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