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香港宝石商の女性、台湾で豊胸手術中に死亡


ニュース 社会 作成日:2018年1月25日_記事番号:T00075218

香港宝石商の女性、台湾で豊胸手術中に死亡

 台湾の整形外科クリニックで23日、自らの脂肪を使った豊胸手術を受けた香港籍の女性(52)が、約3,000ccの脂肪を吸引した後にショック症状を起こし、死亡したことが明らかとなった。執刀医ら4人が業務上過失致死容疑で送検されるなど、捜査が進められている。

/date/2018/01/25/19Kakomi_2.jpg今回の手術を執刀した劉医師(左)と麻酔医の葉医師(右)。亡くなった女性はまさか豊胸手術が命取りになるとは思わなかっただろう(24日=中央社)

 今回死亡事故が発生したクリニックは、人気コメディアン、胡瓜(58)を父に持つモデル、胡盈禎(カレン・フー、32)の夫、李進良医師が台北市の繁華街に開業した「嘉仕美整形外科診所」で、死亡したのは香港で宝石販売会社を経営する女性。彼女は4年前、メディアのCMを見て同クリニックを訪れ、「プチ整形」を行ったことをきっかけに常連となっていた。

 警察の調べによると女性は今週、同クリニックでヒアルロン酸の注入を行う予定だったが、同行した友人が自らの脂肪を使った豊胸手術について相談するのを聞いて興味を抱き、翌日、手術を受けることを決めたという。同手術は自分の上腕部や大腿部、腹部の皮下脂肪を吸引し、胸部に注入するというもので、費用は60万台湾元(約225万円)余りだった。

 死亡事故について執刀医の劉佳政医師(43)と麻酔医の葉春興医師(60)は、死亡した女性はこれまでに同じ麻酔薬を使用した経験がある他、手術前に身体検査を行ったと説明し、医療ミスを否定。ショック症状を起こした原因については分からないとコメントした。

 一方、警察は女性が麻酔薬アレルギーを起こしたり、手術により肺不全を起こした可能性があるとして、26日に遺体を解剖して医師たちに過失がなかったかを含め、詳しく調べる予定だ。

 執刀医の劉医師は患者の評判が良かったそうだが、胃腸内科を専門とし、整形外科手術を執刀するためのライセンスを取得していなかったとの情報が伝えられているほか、麻酔医の葉医師については過去に業務上過失致死罪で懲役10月(執行猶予3年)の判決を受けていたことが明らかとなっている。

 なお自らの脂肪を使った豊胸手術について他の医師は、炎症を起こす、出血が止まらない、傷痕の癒着による腹膜の損傷、麻酔薬アレルギーなどのリスクがあるほか、吸引した脂肪が肺をふさぎショック死することもあると指摘。患者の心身について事前に十分な検査を行う必要があると強調している。