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雲林の激安「おばあちゃん食堂」、学生から感謝状


ニュース 社会 作成日:2018年1月26日_記事番号:T00075240

雲林の激安「おばあちゃん食堂」、学生から感謝状

 雲林県の虎尾科技大学近くで85歳の女性が営業する小さな食堂「婆婆的店(おばあちゃんの店)」では、スープ類が1杯10台湾元(約38円)、丼ものや麺類でも1杯20元という激安価格で提供しており、学生や貧困家庭の強い味方となっている。毎月大幅な赤字が出ているそうだが、女性は「金を稼ぐためにやってるんじゃない」とどこ吹く風。そんなおばあちゃん店主は学生たちから「生き仏」と呼ばれており、先ごろ彼らから感謝状が送られた。

 「名前なんていいから『おばあちゃん』と呼んで」という婆婆的店の店主は、4人の子供が家庭を持ち、孫も生まれて家族のことに何の心配もなくなった25年ほど前、「人間は生きている限り体を動かさなきゃ」と思い立って、大学のそばに食堂をオープンした。

 同店はワンタンスープ、ホルモンスープなどスープ類が一律10元、魯肉飯や麺類が煮卵か肉団子付きで1杯20元という激安価格に設定。さらにはおなかがいっぱいになっていない様子の学生を見ると、無料で具を追加したり、金に困っている人からは代金を受け取らないこともあるそうで、これでは利益が上がるはずもなく、1カ月の赤字は10万元を超えるという。

 しかし店主は、「もともと満腹してうれしそうな客の顔を見たいからやっているだけで、金を稼ごうなんて思っていない。健康が保てればもうけもの」と気にしていないようだ。

 彼女は裕福な家庭の出身ながら、その後、家が没落した際に誰も助けてくれず、貧しさを経験したという。だから貧しい人に親身になるのか、学費が払えなくて困っている学生にお金を融通したり、近くに住む貧困家庭に食事を届けたり、一人暮らしのお年寄りにお米を提供したりといった人助けも行っている。

 そんな彼女を、学生たちは昨年11月に大学の体育祭に招き、感謝状を手渡すとともに、聖火ランナーを務めてもらった際には、全学生が起立して拍手、「おばあちゃん、ありがとう」の言葉を送った。