ニュース 電子 作成日:2018年1月29日_記事番号:T00075255
ファウンドリー世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は26日、南部科学工業園区(南科)Fab18工場の着工式典を行い、世界で最も早く2020年に5ナノメートル製造プロセスの量産を行うと表明した。投資額は5,000億台湾元(約1兆8,700億円)。張忠謀(モリス・チャン)董事長は、4年後に3ナノプロセス量産を行うと述べており、南科Fab18工場は将来TSMC売上高の過半を占める重要拠点となる見込みだ。28日付経済日報などが報じた。
張董事長(中)が予定原稿になかった5ナノプロセスの投資回収目標や業績見通しに触れたことから、強い自信がうかがえる(26日=中央社)
TSMCは南科Fab18工場の第1期で、台湾で同社4基目となる12インチウエハー工場を建設し、19年第3四半期に完工、設備搬入し、20年初めに量産する計画だ。第2期工場は今年第3四半期に着工、第1期と同じ20年に量産を開始する。第3期工場は19年第3四半期に着工し、21年に量産する計画だ。
21年に5ナノプロセスの年産能力は100万枚を超える見込みだ。張董事長は、早ければ5年で建設費5,000億元の投資を回収できると述べた。業界関係者は、張董事長の発言は顧客の受注が確保できている証拠と指摘した。
張董事長は、新竹科学工業園区(竹科)の本社を合わせた5ナノプロセスの投資額は7,000億元に上り、続く3ナノプロセスはさらに巨額だと述べた。3ナノプロセスも南科に導入し、▽先進プロセスの推進▽売上高の持続的成長▽台湾に根ざす──の3つを約束すると強調した。
電力や水、用地など台湾の投資環境問題から、TSMCは先進プロセス工場を米国に建設するとの市場観測もあったが、陳良基科技部長が引き留めたとされる。南科Fab18工場では5ナノ、3ナノの先進プロセスの他、16ナノ、20ナノの既存プロセスでも生産する。
サムスンとアップル受注戦再燃
TSMCが20年に5ナノプロセスで量産する計画に対し、サムスン電子は20年に4ナノプロセスで量産すると宣言している。
業界関係者は、TSMCがアップルのプロセッサー「A11バイオニック」を受注したのは10ナノプロセス統合ファンアウト型ウエハーレベルパッケージング(InFO-WLP)が決め手とみられ、サムスンはファンアウト型ウエハーレベルパッケージング(FO-WLP)の研究開発(R&D)を急いでおり、19年にも試験生産する計画だと指摘した。
7ナノ、Q2出荷へ
TSMCは今年第2四半期に7ナノ製品を出荷する見通しだ。日盛証券投資顧問の李秀利総経理は、TSMCが7ナノでリードすれば、19年にアップルのプロセッサー「A13」を受注できる可能性は高いと述べた。また、TSMCの設備投資拡大で、半導体製造装置や材料メーカーが恩恵を受けると予測した。
電子機器受託生産大手の和碩聯合科技(ペガトロン)の童子賢董事長は、ハイテク業界の最も川上に位置するTSMCが潤えば、川下の最終製品の需要も期待できると語った。
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