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Gogoroが特許無料開放、業界標準化に狙い


ニュース 電子 作成日:2018年2月1日_記事番号:T00075330

Gogoroが特許無料開放、業界標準化に狙い

 電動スクーター「Gogoro」を展開する睿能創意(Gogoro台湾)は31日、Gogoroのコントロールユニットを購入して製造した電動バイクに対し、Gogoroのバッテリーとバッテリーコントロールユニットのライセンス料を徴収しないと宣言した。特許の無償開放によって、業界他社にGogoroのバッテリー交換システムの採用を促し、業界標準とする狙いがある。台湾業界のバッテリー規格統一化を進める経済部の判断にも大きな影響を及ぼす可能性がある。1日付経済日報が報じた。

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 Gogoro台湾の陸学森(ルーク・ホレイス)執行長は、同一のプラットフォームを用いればバッテリー調達・製造コストが低下して台湾の業界全体の競争力が高まり、輸出市場で優位に立てると意図を説明した。インドの二輪車市場は台湾の16倍、ベトナムは4倍で東南アジア市場全体で17倍の規模があると例を挙げ、今がまさに節目であり、バッテリー規格の統一に失敗した場合は、Gogoroの負けというよりも台湾全体の敗北を意味するとして規格統一の必要性を訴えた。

 規格統一の必要性は台湾政府も認識しており、Gogoroを統一規格として採用する意向と伝えられていたが、業界大手の光陽工業(KYMCO)が反発し、先月、独自のバッテリー交換規格を当局に申請する方針を表明。これを受けて沈栄津経済部長が、業界内の調整を図った上で今年上半期中に規格を決定する考えを示していた。

業界は慎重姿勢

 Gogoro台湾の特許無償開放表明に対し、同業他社は台湾電動バイク産業の振興を図る意図には賛同しつつも、利用には慎重な姿勢を見せている。KYMCOは、予定通り3月に独自のバッテリー交換規格を発表し、Gogoroと統一規格を争うと表明した。

 ある業者は「ライセンス料免除でも、Gogoro台湾がコントロールユニット、バッテリー、バッテリー交換システムを独占する恐れがある。高額なライセンス料が他社に販売するコントロールユニットに転嫁されればコストが高まり、Gogoroの電動バイクとは公平な競争ができなくなる」と警戒心をあらわにした。また、Gogoro台湾がバッテリー交換システムの維持管理を担当するため、情報が独占される上、バッテリーレンタルの利益も他社には分配されないのではないかとの懸念も示した。

豪華版新車を発表

 Gogoro台湾は同日、「Gogoro2」のアップグレード版の新車、「Gogoro2 Deluxe」を発表した。より風格のあるデザインにした他、世界初の顔認証アンロックシステムを搭載。「輝度不足」との批判があった発光ダイオード(LED)ヘッドライトは、照射距離、幅ともGogoro2から50%以上拡大させた。

 定価は8万6,800台湾元(約32万6,000円)とGogoro2から7,000元引き上げたが、政府の各種補助を利用することにより最低で3万4,000元で入手できるという。