ニュース 電子 作成日:2018年2月5日_記事番号:T00075380
鴻海精密工業はこのほど、第5世代移動通信システム(5G)設備の実証実験を行うため、国家通訊伝播委員会(NCC)より5G実験用周波数帯を取得した。郭台銘(テリー・ゴウ)董事長は、今年5G業界標準が決まると見込み、早ければ2020年と予想される5G商用化に狙いを定めている。5日付経済日報などが報じた。
郭董事長はこれまでに、5G市場の需要は20~22年に急増すると見込み、鴻海グループの5G特許保有件数は世界10位以内で、8Kと結び付けた応用製品に力を入れると述べている。
2G、3G、4G時代はクアルコム、エリクソン、ノキア、サムスン電子、華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)などが主な特許を握り、台湾メーカーは高額の特許ライセンス料を支払わなければならなかった。鴻海は5Gでは先頭を目指し、5G商用化の当初から商機をつかむ構えとみられている。
グループ総出で開発
鴻海は、5G商用化に向け、▽技術の研究開発(R&D)▽特許の出願▽実験用周波数帯の取得──を並行して行っている。昨年12月には、インテルとの提携で、モバイル・エッジ・コンピューティング(MEC)技術を利用した顔認証ソリューションを発表し、注目を集めた。これまでに開発した技術と製品は他に、▽クラウド無線LAN▽小型基地局(スモールセル)▽基地局用の無線送受信装置(RRH)▽顧客構内設備(CPE)──などがある。
鴻海傘下の台揚科技は、RRHやミリ波(mmWave)技術に強く、5G基地局の基幹部品RRHでは市場にハイエンド製品を続々と送り出している。建漢科技はCPEに強く、無線モジュール、無線ブロードバンドルーター、セットトップボックス(STB)などを開発した。今後、ブロードバンドやIoT(モノのインターネット)製品まで製品ラインアップを拡大する予定だ。
鴻海傘下の通信キャリア、亜太電信(アジア・パシフィック・テレコム)の呂芳銘董事長は、18年からはネットワークスライシング、ネットワーク構造の最適化を進め、5G一貫サービスで、▽8K視聴▽スマートロボット▽自動車分野のIoT(IoV)▽スマートハウス──などに対応すると述べた。
スモールセル設置、22倍へ
NCCは、鴻海から28ギガヘルツ(GHz)帯と3.5GHz帯の5G実験用周波数帯の申請があったほか、工業技術研究院(工研院、ITRI)やネットワーク機器メーカーからは3.5GHz帯や1,800メガヘルツ(MHz)帯の申請があったと明かした。ネットワーク機器メーカーは、中磊電子(サーコム)、合勤投資控股(Unizyxホールディング)、明泰科技(アルファ・ネットワークス)など。
スモールセルフォーラムによると、20年に小型基地局の市場規模は60億米ドルに達する予想。16年5月までの累計出荷台数は1,400万台に上った。小型基地局の設置は15~25年の年平均成長率(CAGR)が36%に上り、25年に22倍に拡大する予測だ。
通信キャリア最大手の中華電信は先月末、台湾や海外企業約40社と、5G産業アライアンス「台湾5G産業発展聯盟」を発足させた。北部、中部、南部で5G実験を行うため、NCCに6GHz帯と28GHz帯の使用を申請する計画だ。
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