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改良進むニガウリ、本来の苦さ懐かしむ声も


ニュース 社会 作成日:2018年2月6日_記事番号:T00075406

改良進むニガウリ、本来の苦さ懐かしむ声も

 野菜や果物は消費者のニーズに合わせて「より甘く、より大きい」品種への改良が進められており、その強い苦味から名付けられた「苦瓜(ニガウリ)」も今ではほとんど苦さを感じない品種が登場し、広く受け入れられている。しかしその一方で、失われてしまったニガウリ本来の味を懐かしむ声も上がっているが、今となっては入手が困難なようだ。

 台湾で栽培されるニガウリには「大青」、「粉青」、「秀月」、「珍珠」といった品種が存在する。そしてこれら品種のうち最も苦味が少ないのは秀月だが、台湾全土に流通するニガウリのほぼ半数を生産する高雄市杉林区では、作付面積の約8割を秀月が占めているという。

 その他のより苦味が強い品種は主に飲食業者向けに出荷されているようで、一般消費者が購入できるのはほぼ全て秀月となっていることから、先ごろインターネット上で「苦いニガウリの種が欲しい」と呼び掛けるユーザーが出現し、話題となった。

 このユーザーは「最近食べたニガウリは本来の特色を失い、まるでフルーツのような口当たりのものばかりで、『苦さの中から甘みを感じる』ことができなかった」と不満を訴え、しっかりとした苦味を持つニガウリの種を手に入れ、農家に委託して栽培したいと書き込んでいた。

 こうした声に対し杉林区のニガウリ農家は、「市場でニガウリを購入する主婦の大多数がより苦くないものを購入する傾向にある中、農家は市場のニーズに合わせて生産するほかない」と語っている。

 ニガウリ品種改良の専門家で高雄区農業改良場の研究員、黄祥益さんも、市場の需要に合わせて改良を進めてきたが、ニガウリの苦味成分、サポニンは健康に良いという研究結果もあると指摘し、苦味を敬遠し過ぎないよう消費者に呼び掛けている。