ニュース 社会 作成日:2018年2月7日_記事番号:T00075451
台湾西部の海岸線を新北市から台南市まで結ぶ自動車専用道路「台61線(西部浜海快速公路)」は、1992年に着工したものの、財政難や住民の反対運動などにより予定通り計画が進まず、多くの区間が未完成となっており、26年が経過した今も工事が続けられている。沿海快速道路の苗栗県の工事区間(中央社)
台61線の建設は91年、中山高速公路(国道1号)、および当時建設中だったフォルモサ高速公路(国道3号)の渋滞緩和を目的に、新北市八里区から台南市七股区までを結ぶ自動車専用の無料道路として計画された。
当初は2007年8月の竣工(しゅんこう)が予定され、95年以降、一部区間が段階的に開通してはいるものの、工期の延期が相次ぎ、現在も全面開通にはほど遠い状況だ。このため台61線は「台湾で最も工期が長い道路」となっている。
なお春節(旧正月)などの連休シーズンになると交通部は、混雑する国道1号、国道3号を避けて台61線を利用するよう呼び掛けるのが通例となっている。しかし台61線は未開通区間によって「ぶつ切り」状態となっているため、台北から台中へ向かう場合は10回以上、一時的に一般道へ乗り入れる必要があり、市民からは「快速道路なのに全然快速じゃない」と不満の声が聞かれる。
工事の遅れについて交通部公路総局関係者は、政府の財源不足と当初の計画がずさんだったことから周辺住民の反対が根強く、ルートの変更が相次いだことが主な原因と説明している。
例えばある区間では当初、高架道路は景観を破壊するほか、風水的に良くなく、経済発展の面からも不適切との住民の声を受けて地上道路に変更し、インターチェンジの設置も中止した。しかし既に開通した地上道路区間において、一般道との交差点で事故が多発する問題が浮上するや、再度高架に変更するよう求める声が強まり、結局、高架道路として建設することが決まった。
また新竹県市に跨る鳳鼻~香山区間は野生動物保護区と重なることなどから環境保護団体の強い反対を受けており、地元政府も建設の承認に二の足を踏んでいる。
公路総局は、山積みとなっている諸問題が解決したとしても全線開通には少なくとも8年が必要との見方を示している。今後も連休中に台湾西部を車で移動する場合は大渋滞を覚悟した方がよさそうだ。
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