《18年花蓮地震》高層ビル倒壊、ピロティ構造に問題か


2018年2月8日16:01  ニュース

《18年花蓮地震》高層ビル倒壊、ピロティ構造に問題か

記事番号:T00075466

 6日夜発生したマグニチュード(M)6.0の地震で倒壊した花蓮市内の高層ビル4棟の共通点として、断層の上に位置していた上、1階部分が騎楼(ピロティ構造)など主に複数の柱で支える構造のため、強震の負荷を支え切れなかったことが指摘されている。1999年9月の中部大地震で倒壊した台北市内の東星大楼(87人死亡)、16年2月の南部地震で倒壊した台南市の維冠金龍大楼(115人死亡)も、1階部分が吹き抜けや片側騎楼構造だった。8日付自由時報などが報じた。

/date/2018/02/08/00yunmen_2.jpgビルの倒壊を防ぐために鉄骨やブロックが設置されたものの、捜索は難航している(7日=中央社)

 花蓮市で震度7を記録した今回の地震では、▽雲門翠堤ビル▽統帥大飯店(マーシャルホテル)▽白金双星ビル▽吾居吾宿ビル──が倒壊し、1~2階部分などが地下に埋まった。8日午後1時半現在、花蓮地震による死者は9人、重軽傷は268人、行方不明は23人で、内訳は雲門翠堤ビル(死者6人、行方不明10人)、マーシャルホテル(死者1人)、その他(死者2人、行方不明13人)──。生存率が急激に下がるとされる発生後72時間以内を念頭に、必死の救出作業が進められている。消防によると、行方不明者数には戸籍だけがあり実際に居住していない人が含まれている可能性もある。

 被害が集中している雲門翠堤ビルは1993年完工で、地上12階、地下1階建て。1~2階にホテルの漂亮生活旅店(ビューティーステイ)とレストランの阿官火鍋が入居しており、3~12階は住宅とオフィスが入居していた。現在、3階以上に閉じ込められている人はいないことが確認できている。

頭でっかち、片側に負担集中

 花蓮県建築師公会と土木技師公会は7日早朝に現場を鑑定し、倒壊は片側騎楼構造が原因と結論付けた。ちょうど米崙断層の上に位置していたため、強震が直撃し、脆弱(ぜいじゃく)な片側に負荷がかかり、建物が傾いて倒壊したとの見方だ。

こうした片側騎楼構造は、建築業界で「頭でっかちで、足腰の弱い建物」といわれている。

 花蓮県建築師公会の劉燕湖理事長は、雲門翠堤ビルは、4階以上には構造上の問題がなく、亀裂が全くみられなかったと述べた。

 土木技師公会の張錦峰理事長は、雲門翠堤ビルは99年9月の中部大地震以前に建てられたため、耐震性が低かったと指摘した。

 雲門翠堤ビルは、4年前に漂亮生活旅店が入居し、1階の壁を取り払ってロビーにしたため、消防局から元に戻すよう命じられたがそのまま営業を続けていた。多くの住民はこのことがビル倒壊につながったと疑っている。

老朽住宅、建て替え推進

 国家実験研究院国家地震工程研究中心(NCREE)の黄世建主任は、倒壊した建物はいずれも建設から長い時間がたち、低層階の構造上、耐震性が低かったと述べた。99年9月の中部大地震以降、政府は耐震性の強化に努めているが、建て替えは住民全員の同意がないとできないため進んでいないと指摘。防災のためには建て替え以外の方法を含め、政府が介入する必要があると述べた。

 一方、花蓮地方検察署は、手抜き工事がなかったか調査を進めている。

 内政部営建署の王栄進代理署長は、都市危険・老朽建築物建て替え加速条例(危老条例)に基づき、各県市の老朽住宅の建て替え推進を支援していると述べた。1月中旬が締め切りだった耐震診断の申請は1,400件以上で、うち560件が危険住宅の建て替え条件に合致したと説明した。今年は年間で500件・1万世帯の建て替えを推進すると表明した。