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《18年花蓮地震》日本の救急救命士男性、東京から花蓮に駆け付ける


ニュース 社会 作成日:2018年2月9日_記事番号:T00075511

《18年花蓮地震》日本の救急救命士男性、東京から花蓮に駆け付ける

 6日夜発生したマグニチュード(M)6.0の地震による被災者の救助活動が続く中、地震発生後、飛行機に飛び乗って現地に駆け付けた日本人救急救命士がいる。彼は2011年3月に東日本大震災が発生した際、救助隊の派遣や巨額の義援金を含む台湾から受けた手厚い支援が忘れられず、居ても立ってもいられず行動に移したという。

/date/2018/02/09/19Kakomi_2.jpg松岡さんは、行方不明者の捜索が難航する中、自分の救助技術が人命救助につながることを願っていると話した(9日=中央社)

 普段は東京の病院で救急救命士として働く千葉県在住の松岡博人さん(33)は、日本人の父親と台湾人の母親を持つハーフで、日本で救急救命士となった後、台湾へ留学。台湾の救急救命士に当たる「初級救護技術員」(EMT1)のライセンスを取得した。

 その後、11年に苗栗県通霄鎮の白沙屯拱天宮に祭られる道教の女神、媽祖をみこしに乗せ、雲林県の北港朝天宮まで大勢の信徒とともにまで徒歩で往復巡行する儀式「白沙屯媽祖徒歩進香」に付き添う医療団に参加した。

 ちょうどその時、日本で東日本大震災が発生。松岡さんはただちに日本へ帰国し、救助活動に参加した。当時、台湾政府が速やかに日本へ救助隊を派遣したほか、一般市民を含め総額200億円を超える義援金が被災地に寄せられた。

 そのことがずっと忘れられなかった松岡さんは、今回、花蓮で大規模な地震が発生し、深刻な被害が出ていることをフェイスブック(FB)を通じて知るや、「台湾に恩返しをする時だ」と思い立った。勤務先病院の院長も台湾で救助活動に加わりたいという彼の申し出を受けて、ただちに2週間の有給休暇を許可。すぐに被災地へ向かうことが可能となった。

 院長の対応に松岡さんは「院長が台湾に恩返しをすべきだと思ったのも、東日本大震災の時に台湾がまいた種が実ったものだ」と語った。

 被災地に入った松岡さんは現在、大きく傾いた「雲門翠堤ビル」の近くに設置された詰め所で、台北市から駆け付けたボランティアと共に救助活動に奔走している。