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記事番号:T00075540
2018年2月13日15:29

 中国商務部は12日、台湾、韓国、米国から輸入されるスチレンモノマー(SM)に対し、13日より5~10.7%の保証金納付を求める反ダンピング(AD、不当廉売)措置の仮決定を発表した。台湾メーカーに求める保証金は5%。中国はスチレンモノマーの最大の輸出先であるため、台湾メーカーは増産計画の見直しが迫られそうだ。13日付工商時報が報じた。/date/2018/02/13/00ad_2.jpg

 スチレンモノマーの中国輸出に対する保証金は、▽台湾化学繊維(フォルモサ・ケミカルズ&ファイバー、台化)▽国喬石油化学(グランド・パシフィック・ペトロケミカル)▽台湾苯乙烯工業(台湾スチレンモノマー)──が5%。ロッテケミカルなど韓国メーカーは7.8~8.4%。ライオンデル・ケミカルなど米国メーカーは9.2~10.7%。

 中国の統計によると、台湾からの2016年スチレンモノマー輸入量は45万9,000トン(前年比5.7%増)。韓国メーカーは122万5,400トン(1.45%減)、米国メーカーは42万800トン(22.93%増)だった。3カ国・地域からの16年輸入シェアは60.18%を占めた。

 スチレンモノマーは、電子製品や家電製品に使われるABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体合成樹脂)や合成ゴムの原料。

影響を注視

 経済部は、台湾メーカーにとって中国は最大のスチレンモノマー輸出先で、中国にとって

台湾は韓国、サウジアラビアに次ぐ3番目の輸入元だと説明した。経済部国際貿易局(国貿局)の徐大衛副局長は、韓国や米国より低率だったが、サウジアラビアは含まれなかったので、中国向け輸出への影響を注視する必要があると述べた。

 中国商務部は昨年6月、13~16年に台湾、韓国、米国から輸入されたスチレンモノマーに対するダンピング調査に着手。今年6月23日に最終決定を下す予定だが、最長12月23日まで延長される可能性がある。

 中国メディアの報道によると、ダンピング措置を念頭に、中国メーカーは昨年10月より18年調達分の商談や契約締結を先送りし始め、昨年12月より台湾、韓国、米国以外から買い付けるようになっている。

 台湾メーカーは、春節(旧正月、18年は2月16日)開けに中国でのスチレンモノマー価格が上昇すれば、保証金によるコスト負担を相殺できると期待している。一方で、価格上昇に加え、生産した分を全て販売できるようになる中国のスチレンモノマーメーカーがやはり有利との声もある。

中国・東南アジア生産拡大へ

 台化の洪福源副董事長は、中国にスチレンモノマーを毎年40万トン輸出しているが、うち9割は自社の寧波プラント(浙江省)で使用しているので、中国当局に対し自社分への保証金の除外を求めると述べた。なお、中国で近年ABS需要が急増する中、ABS中国3位の台化は19年までに寧波プラントで6億米ドルを投じ、ABS年産能力を70万トンまで拡大する計画だ。

 一方、台湾中油(中油、CPC)は昨年8月に、中国のダンピング措置の最終決定が出るまで、国喬石油化学、台湾スチレンモノマーとの合弁による高雄市でのスチレンモノマー増産計画を見合わせると表明していた。

 長興材料工業(エターナル・マテリアルズ)、聯成化学科技(UPC)、上緯国際投資控股(スワンコー)などは中国やマレーシアなど東南アジア諸国連合(ASEAN)での生産拡大を図る。

 中国石油化学工業開発(CPDC、中石化)は、5月に頭份プラント(苗栗県)の調整が完了し、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)の年産能力2,000トン、稼動率70%を予想している。また研究開発(R&D)センターにエンジニアリングプラスチック工場を建設し、第4四半期に稼働する予定だ。

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