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花蓮に漂着した日本人の物語、中国語版が発表


ニュース 社会 作成日:2018年2月14日_記事番号:T00075589

花蓮に漂着した日本人の物語、中国語版が発表

 絵本作家の小林豊さんがこのほど、今月6日~11日に開催された出版業界の国際見本市「台北国際書展(TiBE)」に参加し、1月に出版された台湾を題材とする作品『チョプラン漂流記:お船がかえる日』の中国語繁体字版の発表会を行った。

/date/2018/02/14/19Kakomi_2.jpg小林さんは08年に日本絵本賞読者賞を受賞しており、作品は世界的に高い評価を受けている(中央社)

 『チョプラン漂流記』の物語は、江戸時代の1802年に箱館から江戸へ向かった商船が嵐に遭って舵(かじ)を失い、台湾東部の花蓮県を流れる秀姑巒渓の河口に漂着し、乗っていた船頭の文助や8歳の少年、市松が先住民のアミ族に助けられ、5年もの間、彼らとともに暮らしたという実際の出来事が基となっている。

 小林さんによると、日本と台湾はいずれも黒潮の通り道にあるため、遭難して台湾へ流れ着く日本人は少なくなかったが、『チョプラン漂流記』の登場人物たちが台湾で過ごした時期、日本は鎖国体制で、彼らは帰国した後に犯罪者として裁きを受けることになったため、当時の裁判所が文字や絵による詳しい記録を残していたという。

 1946年生まれの小林さんは英国留学中に画家を志したものの、欧州には興味を抱けず帰国を決意。資金が無かったため徒歩やロバに乗って約半年をかけて日本に戻った経験から、世界には知らない場所は多いが、自ら訪れてみなければ正しく理解できないと痛感し、70年代以降、中東やアジア各国をたびたび旅行し、その経験を基にした作品を数多く創作してきた。

 『チョプラン漂流記』についても、残された記録に加え、自ら花蓮を取材に訪れて描き上げた。小林さんはこの作品を通じ、「18~19世紀、世界の海は今のように国境で分割されておらず、日本も台湾も中国も海でつながった同じ文化圏に属していたということを子供たちに伝えたかった」と語っている。

 小林さんは2012年以降、頻繁に訪れているという台湾について「本当に一番好きな場所」と語り、今後もこの地を題材とする作品を創作していくと述べた。