ニュース 社会 作成日:2018年2月22日_記事番号:T00075632
台湾鉄路(台鉄)の台北駅と中壢駅(桃園市)で21日、プラットホームに入ってきた列車に乗客が接触する事故が相次いで発生し、1人が死亡した。これを受けてインターネット上では、「なぜ都市交通システム(MRT)のように可動式ホーム柵(ホームドア)を設置しないのか」など、台鉄の安全対策は不十分との批判の声が上がっている。けがをしたインドネシア人男性は、全身から酒のにおいを漂わせていた(21日=中央社)
21日午前7時半ごろ、台鉄・台北駅の4番プラットホームで列車を待っていた女性(38)が突然意識を失って倒れ、肩から上の部分が線路上に突き出した状態となった。ちょうどそこへ特急列車の自強号が入ってきたため、近くにいた他の乗客が慌てて倒れた女性をホームの内側に引き戻そうとしたものの間に合わず、列車は彼女の頭部に衝突。すぐに病院に運ばれたが死亡が確認された。
また中壢駅でも同日午後3時半ごろ、酒に酔ったインドネシア人労働者(31)がプラットホームに入ってきた列車を追い掛けようとしてバランスを崩し、車両に接触。額に約4センチメートルの裂傷を負ったが、幸い命に別状はなかった。
台鉄の統計によると、2012年から16年にかけて乗客がプラットホームから線路に転落する事故が313件発生し、23人が死亡、168人が負傷している。
ホームドアを設置すべきとの声が上がっていることに対し台鉄工務処の陳仲俊処長は、ホームドアは車両のドアと同時に開ける必要があるが、台鉄ではMRTに比べ車両の種類が多く、ドアの位置が異なるほか、ホームの高さも設置した時代によって異なるため導入の難易度が高いと説明。その上で現在、ドアの位置やホームの高さの違いに柔軟に対応可能で、日本の一部鉄道駅で採用されている昇降式ホーム柵の導入を検討しており、早ければ年内に基隆市の百福駅などで試験運用を開始するとの方針を示した。
このほか専門家からは当面の安全策として、ホームにセンサーを設置し、乗客が接触防止用のラインを越えた場合に警報を発して駅員に注意を喚起するなど、安全対策を強化すべきとの提言がなされている。
人命に直結するプラットホームの安全問題には、できる限りの対策を速やかに講じてもらいたいものだ。
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