ニュース 社会 作成日:2018年3月5日_記事番号:T00075796
2月6日に発生した花蓮地震は、観光を主な収入源とする花蓮県にとって1年の書き入れ時に当たる春節(旧正月、2018年は2月16日)連休を直撃し、地元経済に大きな影響を及ぼした。現在も依然として観光客は回復しておらず、このままの状態が夏休みシーズンまで続けば関連産業の損失は80億台湾元(約290億円)に上ると予測されている。これまでに中央政府が復興支援に向け、交通費と宿泊費として1,000万元の補助金を支給すると表明したが、その規模の小ささに地元からは「われわれのことをもう忘れたのか」と批判の声が上がっている。
台鉄花蓮駅前も閑散としている(3日=中央社)
花蓮県では地震発生後、倒壊したり傾いたビルや建物の解体が急ピッチで進められ、既に震災直後の悲惨な状況は薄れている。しかし、県民の多くが従事する観光産業では、従来から中国人観光客が減っていたところを今回の地震に直撃され、非常に深刻な影響を受けた。その上、約1カ月が経過した今も、観光客の姿はまばらで、県民は不安を募らせている。
花蓮県の代表的な観光地である太魯閣(タロコ)国家公園では2月の来園者数が前年同期に比べ延べ約26万人減少。減少幅は50%を上回った。またほとんど被害がなかった中南部でも、ホテルや旅館の客室稼働率は10~20%まで落ち込んでおり、かつて1日に1,000人以上が訪れた観光スポット、台湾糖業(台糖)の砂糖工場跡「花蓮観光糖廠」でも現在は100人余りまで観光客が減っている。
政府からの十分な支援が得られない中、地元の観光関連業者は値下げによって観光客を呼び戻そうと必死の努力を続けており、台湾鉄路(台鉄)も地元ホテルと提携して3月より台北~花蓮の往復運賃とホテル代をセットにした「観光専門列車」を運行している。
こうした中、震災後に花蓮県を旅行に訪れた観光客からは、「花蓮はやはり美しかった」との印象が聞かれたほか、以前は花蓮へ行くには鉄道の切符が取りにくく、宿泊費も高いイメージがあったが、今は5つ星クラスのホテルに1泊2日で3,000元からという格安で泊まれるほか、各種ツアーも用意されており「とてもリーズナブルだった」との声が上がっている。
花蓮観光に興味があるならば、地元支援にもつながる今がチャンスかもしれない。
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