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アップルがノートも低価格化か、クアンタなど恩恵


ニュース 電子 作成日:2018年3月6日_記事番号:T00075797

アップルがノートも低価格化か、クアンタなど恩恵

 アナリストのレポートによると、アップルは第2四半期に13インチ薄型軽量ノートパソコン「MacBook Air(マックブックエアー)」の799~899米ドルの低価格モデルを発売するとみられている。現行モデルより100~200米ドルの引き下げとなる。タブレット端末「iPad」、スマートスピーカー「ホームポッド」、スマートフォン「iPhone」も今年、低価格モデルを投入すると予想されている。低価格モデルによって販売台数の拡大が見込まれ、広達電脳(クアンタ・コンピューター)をはじめ、台湾のサプライチェーンに恩恵が期待できる。6日付経済日報が報じた。

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 市場調査会社ウィッツビュー・テクノロジーの邱宇彬研究部副総経理は、13インチのマックブックエアー低価格モデルは799~899米ドルと、現行の最低価格999米ドルを大幅に下回り、アップルの今年のノートPC出荷台数を押し上げると予測した。昨年の出荷台数は1,580万台で前年比21%増と、ブランド別で最も伸びが大きかった。

 アップル製品の動向把握で定評のある凱基証券(KGI)の郭明錤アナリストは、低価格モデルは第2四半期に発売され、アップルの今年のノートPC出荷台数は前年を10~15%上回ると予測した。

 これにより、組み立てのクアンタ、部品メーカーの可成科技(キャッチャー・テクノロジー)、新日興(SZS)、瑞儀光電(ラディアント・オプトエレクトロニクス)などが恩恵を受ける見通しだ。

アマゾン・エコーと勝負

 市場観測によると、iPadの低価格モデルは3月中に発売される見通しだ。価格は259米ドルと、現行の329米ドルより下がるとみられている。ウィッツビューの邱副総経理は、アップルは昨年3月に9.7インチiPad低価格モデルを発売後に販売が増え、通年のiPad出荷台数は4,380万台で前年比3%増とプラス成長に転じ、タブレット世界首位の座を維持できたと指摘した。iPadのサプライヤーは、鴻海精密工業、仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)、和碩聯合科技(ペガトロン)など。

 ホームポッドの低価格モデルは下半期に発売されるとみられている。価格は現行の349米ドルから150~200米ドルまで引き下げられ、スマートスピーカー首位の「アマゾン・エコー」に挑む。サプライヤーは、英業達(インベンテック)、美律実業(メリー・エレクトロニクス)、ラディアント、良維科技(ロングウェル)、健鼎科技(トリポッド・テクノロジー)など。

 iPhoneについては、昨秋発売した最高価格のiPhoneX(テン)の売れ行きが振るわなかったため、今年下半期に発売する3機種のうち1機種が6.1インチ液晶パネル搭載の低価格モデルとなると予想されている。価格は649~749米ドルとみられている。iPhone組み立てはペガトロン、鴻海精密工業、緯創資通(ウィストロン)が手掛けている。アップルは2016年3月より、低価格モデルのiPhoneSEを販売している。

組み立てメーカーの粗利益率上昇

 アップルの低価格モデル発売で販売拡大につながれば、サプライチェーンの川上にも川下にも好材料だ。

 鴻海、ペガトロン、ウィストロンなど組み立てメーカーの場合、アップルから主要部品の供給を受け、組み立ての代金のみを一律で受け取っている。低価格モデルは、組み立てが容易で、歩留まり率が高まる上、出荷量が増えるほどコストは下がり、粗利益率が上昇する。

 部品メーカーの場合、低価格モデル向けは出荷単価が下がるものの、出荷量が大幅に拡大し、出荷額は増加する。例えば、部品の単価が10米ドルだったのが低価格モデル向けで4米ドルに下がっても、搭載量が1個だったのが低価格モデル向けで3個に増えれば、出荷額は12米ドルに上昇するといった具合だ。

【表】