ニュース 電子 作成日:2018年3月8日_記事番号:T00075849
鴻海精密工業は、ネットワークカメラ(IPカメラ)スタートアップの米シネラをはじめ、ソニーセミコンダクタソリューションズ(SSS)、ニコン、緯創資通(ウィストロン)の5社で、レンズ市場のエコシステム(事業生態系)を構築し、業界標準規格を打ち立てるため「NICEアライアンス」を結成した。下半期にイメージプロセッサーの接続技術を完成させ、2019年下半期に規格に合致した製品を発売する目標だ。8日付経済日報が報じた。
NICEアライアンスは、「ネットワーク・オブ・インテリジェントカメラ・エコシステム・アライアンス」の頭文字を取ったもの。ハードウエアだけでなく、ソフトウエアの業界標準規格も制定してオープンプラットフォームを構築し、他社の参加も受け入れる方針だ。報道によると、アマゾン・ドット・コム、グーグル、ネットギアなどのネットワークカメラよりも、撮影の質が高い製品を発売することを目標に据える。IHSマークイットによると、北米には監視モニターが数千台も設置されており商機は大きい。
NICEアライアンスの日米台連携は、中国レンズ最大手の舜宇光学科技(サニー・オプティカル・テクノロジー)、セキュリティー最大手の杭州海康威視数字技術(杭州ハイクビジョン・デジタル・テクノロジー)など台頭する「紅色供給網(レッドサプライチェーン)」に対抗する狙いがある。
車載用レンズ、3割成長
業界関係者は、5G(第5世代移動通信システム)、AI(人工知能)時代到来に伴い、センサーで観測する光学製品が目の役割を果たし、重要性が高まると指摘した。
レンズは、スマートフォンだけでなく、車載用、セキュリティーなどにも利用され、スマートハウス、スマートシティーなどの広がりで、需要が急増している。例えば、自動車の上位クラスには先進運転支援システム(ADAS)が全面的に導入され、自動車各社は自動運転車の開発を進めており、車載用レンズ需要は毎年3割以上拡大している。
鴻海とウィストロン、提携拡大も
電子機器の受託生産の薄利化が進む中、鴻海やウィストロンはレンズなど新分野の開拓に注力している。鴻海は傘下の光学レンズ用金型メーカー、中揚光電の他、シャープ買収を通じて同社傘下のカンタツを手に入れた。また鴻海傘下の鴻騰精密科技(FIT)がシャープと車載用レンズで提携している。
ウィストロンは、中国の騰訊控股(テンセント)や米セコイア・キャピタルが出資している中国の電気自動車(EV)大手、上海蔚来汽車(NIO、ニーオ)に電子制御機器を独占的に供給するとされる。NIOは中国版テスラと呼ばれる注目企業だ。ウィストロンは2020年に車載用製品の売上高構成比10%を目指している。
証券会社は、NICEアライアンスをきっかけに、ライバル同士の鴻海とウィストロンが今後、提携分野を拡大する可能性があると指摘した。
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