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緯創のノートPC受託、10%値上げ検討


ニュース 電子 作成日:2008年5月21日_記事番号:T00007597

緯創のノートPC受託、10%値上げ検討

 
 緯創資通(ウィストロン)の林憲銘董事長は20日、原料、部品価格の上昇などを受け、「受託価格の値上げが下半期の重要目標」と発言した。これは仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)や和碩聯合科技(ペガトロン)の値上げ表明に共闘姿勢を示したもので、業界の観測では各社がブランドメーカーに提示する値上げ幅は約10%となる。実現すれば、コンシューマ向けノートPCの下半期市場価格に影響が出るとみられる。21日付工商時報などが報じた。
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 20日、傘下の啓碁科技(WNC)のグローバル運営本部の起工式に出席した林董事長は、「今年は中国での人件費上昇に加え、石油価格の高騰で原料コストが上昇しており、川下の顧客には値上げを理解してほしい」と語った。

2カ月内に結論

 市場調査機関IDCの江芳韻アナリストは、「受託価格の値上げ圧力の高まりは一部の問題ではなく業界全体の傾向だ」と語る。ノートPC受託業界ではこれまで1度も値上げを行ったことがないが、第2四半期に入って、バッテリー8%、キーボード14%、銅20%前後と部品・素材の値上げが相次いでおり、さらに為替差損や人件費の高まりもあって、川下のブランドメーカーも今回の値上げ要求はこれまでとは異なると受け止めているという。江アナリストは、今後2カ月以内に値上げが実現するか否か結論が出るとみている。

「非常に厳しく、多角化進める」

 林董事長は、値下げ一辺倒のPC業界について、あるアナリストの「牛肉麺は値上げすることもあるが、PCの値上げは永遠にない」との発言を引用し、「非常に厳しい商売だ」と語った。

 林董事長によると緯創集団は今後、製造業からの転身を図り、アフターサービス業務や製品開発など多角化を進める計画だ。先ごろ光宝科技(ライトン・テクノロジー)のデジタルディスプレイ部門を買収したこともこの一環だ。

 また、同集団はデジタルホーム製品の参入にも積極的で、緯創では家庭用ゲーム機の受託生産を行い、傘下の啓碁科技はセットトップボックス(STB)に進出している。林董事長は「デジタルホーム製品は種類が多く成長余地が大きい。ただ長い目で見る必要があり、将来は同市場をリードする地位を築きたい」という考えを示した。