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台北MRT環状線、南北2区間計画を始動


ニュース 運輸 作成日:2018年3月16日_記事番号:T00076005

台北MRT環状線、南北2区間計画を始動

 台北市の林欽栄副市長は15日、台北MRT(都市交通システム)環状線の第2段階に当たる北環段および南環段の建設計画の始動を宣言した。剣南路(台北市中山区)~工商展覧中心(新北市五股区)の12駅を結ぶ北環段、および動物園(台北市文山区)〜遠東工業区(新北市新店区)の6駅を結ぶ南環段が開通すれば、内湖区や文山区などの住民の交通の便が飛躍的に向上する。ただ台北市政府捷運工程局は、開通は10年以上先と予想している。16日付自由時報などが報じた。

/date/2018/03/16/00MRT_2.jpg台北一帯のMRTは将来、放射状路線の外郭が環状線で結ばれる形となり、利便性が飛躍的に向上する(台北市政府捷運工程局提供)

 台北市政府捷運工程局の計画によると、北環段は▽剣南路▽故宮博物院▽士林官邸▽士林▽士林行政中心▽社正公園▽重陽橋▽分子尾▽徐匯中学▽中路▽更寮▽工商展覧中心 ──の12駅、全長14.93キロメートル。南環段は▽動物園▽政治大学▽文山区行政中心▽安康公民住宅▽考試院▽遠東工業区──の6駅で全長5.73キロメートル。北環段と南環段は全て地下路線で、投資額は1,378億台湾元(約5,000億円)。なお、駅名は未定だ。

 台北市捷運局の張沢雄局長は、1カ月後に都市変更計画を台北市都市設計審議委員会に提出し、審査通過後に中央政府に提出する流れで、1年半~2年かかる見通しだと述べた。また、中央政府の承認後、工事完成まで9年半はかかるとの見通しを示した。

 張局長は、北環段および南環段の各駅の500メートル以内にそれぞれ15万人が居住しており、乗り換えも含めれば利用者数はさらに増えると予測した。例えば、台北市内湖区から士林区や北投区に向かう場合、現在はMRTで2回乗り換えが必要で、自動車でも30分かかるが、環状線の北環段が開通すれば、わずか8分で移動できると語った。また、南環段が開通すれば、動物園駅から大坪林駅(新北市新店区)までの移動も30分節約できると述べた。

 林副市長は、北環段および南環段の開通により、内湖区の渋滞が解消するほか、台北市・新北市・基隆市・桃園市が一つの生活圏となり、中心部への集中が軽減されると述べた。

西環段は12月完成予定

 MRT環状線は全長49.18キロメートルで計42駅。うち15駅が、既存の▽淡水信義線▽文湖線▽松山新店線▽中和新蘆線▽板南線▽桃園機場捷運(桃園空港MRT)、建設・計画中の▽安坑線▽万大線▽民生汐止線──と交わる。

 MRT環状線の西環段は、新北産業園区(新北市新荘区)~大坪林の14駅、15.4キロメートルを結ぶ。現在建設中で、今年12月に完成予定だ。

 東側の区間「東側南北向捷運系統」は、動物園から、永春(台北市信義区)、松山(松山区)を経由して、剣南路までをつなぐ。年末に中央政府から承認を得て、来年総合計画を始動する予定だ。林副市長は、10駅で13.2キロメートルを結び、将来は同じ車両が循環する「山手線」を完成させたいと語った。