ニュース 公益 作成日:2018年3月19日_記事番号:T00076039
台湾電力(台電、TPC)による深澳石炭火力発電所(新北市瑞芳区)建設計画が環境影響評価を通過したことに関連し、頼清徳行政院長は16日、立法院での答弁で、「深澳発電所で使用するのはクリーンな石炭であり、汚染物質の排出量は天然ガス火力発電所と大差ない」と主張した。これに対し学識者からは疑問の声が上がっている。17日付聯合報が伝えた。
頼行政院長(右3)は、大気汚染を北部の市民の悩みの種としないと強調した(18日=中央社)
深澳発電所をめぐっては、TPCの鍾炳利総経理も「TPCは熱量が低く、汚染度が高い褐炭、泥炭は使用せず、全てクリーンな亜歴青炭を使用しており、汚染防止設備も増設している」と説明した。
これに対し朱立倫新北市長は「石炭にいわゆるクリーンか否かという問題はない」と述べ、市政府として、歴青炭の使用許可証を発給しないと述べた。新北市政府環境保護局は「石炭による汚染物質発生量が天然ガスと一緒であるはずがない。TPCが中央に誤った情報を伝え、政策を誤らせるのは危険だ」と批判した。
中興大環境工程学系の荘秉潔教授は「クリーンな石炭など存在しない。石炭と天然ガスは異なる燃料であり、生成される汚染物質も異なる」とし、石炭火力発電所の排煙に含まれる重金属や発がん物質に懸念を示した。
荘教授はまた、深澳発電所が採用する「超超臨界圧発電」は従来型の火力発電よりも発電効率が10%以上高く、火力発電としては大気汚染防止効率が高いと言えるが、天然ガス火力発電所と比較した場合、窒素酸化物(NOx)排出量(脱硝装置設置後)は1.84倍、二酸化硫黄は138倍、粒子状物質は48倍に上ると指摘した。
林口発電所でアピール
一方、18日付聯合報によれば、「クリーンな石炭」発言が批判を浴びた頼行政院長は17日、「超超臨界圧発電」を採用した林口火力発電所に記者団を案内し、超超臨界圧発電を活用すれば、天然ガス火力発電並みの汚染物質排出量を達成できるとの認識を改めて示し、「もし住民にまだ懸念があり、大気汚染防止設備は1セットでは足りないと言うならば、深澳発電所には2セット設置し、必ず市民を安心させる」と述べた。
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