ニュース 社会 作成日:2018年3月20日_記事番号:T00076079
台東県東部を流れる河川、塔瓦渓の河口付近で19日早朝、漁船で密入境しようとしたとみられるベトナム人3人が海岸巡防署(海巡署)の係員によって検挙されたほか、近くの海岸で溺れているベトナム人2人が発見されたが、その後、死亡が確認された。
検挙されたベトナム人密航者。現在、台湾に不法滞在している外国人は5万人以上で、半数以上をベトナム人が占めるとみられている(19日=中央社)
海巡署によると、19日午前2時17分ごろ、台東県大武郷の沖合から海岸に向かって接近する小型の物体が確認されたことから、係員が到着地点付近で待ち伏せしたところ、午前4時過ぎにゴムボートで接岸しようとした密入境者を発見。上陸するや、係員はただちに検挙にかかったが、密入境者は散り散りになって周辺の林や草むらの中へ逃げ込んだ。
その後の捜索で、ベトナム人の男1人、女2人、および彼らを手引きしたとみられる台湾人2人の身柄を拘束した。また近くの海岸で溺れているベトナム人男女2人が発見され、救命措置が施されたものの死亡した。
さらに海巡署の警備艇が、大武郷の沖合でベトナム人密航者16人を乗せた漁船を拿捕(だほ)しており、先に拘束された密入境者もこの漁船に乗っていたとみて捜査が進められている。
なお、通婚により台湾へ移住したベトナム人女性は、ベトナムのブルーカラー労働者が国内で働いた場合、ベトナムの5倍以上の2万5,000~3万台湾元(約9万1,000~10万9,000円)の月収を得られ、数年働けば家族の暮らし向きを大幅に改善できるという。ベトナムから台湾へは合法的に出稼ぎにやって来ることも可能だが、仲介業者に搾取される恐れがあること、滞在期限が切れて再入境する場合は煩わしい手続きが必要となることから、密入境を選択する者が後を絶たないようだ。
ベトナム人密入境者は従来、まず中国に渡って斡旋(あっせん)業者のスネークヘッドに接触、福建省福州市などから漁船で新竹や苗栗へ密航するケースが大半を占めたが、同ルートは海巡署による取り締まりが強化されたため、近年は台東など東部海岸へ迂回(うかい)するようになっているそうだ。
また台湾への密入境者が斡旋業者に支払う代金は約7,000米ドルとされ、ベトナム人労働者にとって1年分の賃金に相当する。ただ、「新南向政策」を掲げる蔡英文政権への交代以降、ベトナム人の台湾での就労は比較的容易となっており、命の危険を冒してまで密航を企図するケースは今後は減少するとみられる。
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